連載:高校野球2024・夏の地方大会「エリア別大展望」

高校野球「実力校ランキング・24年夏」埼玉編 一頭地を抜く花咲徳栄、対抗馬は浦和学院など3校

上原伸一
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昨秋に続いて春の県大会も制した花咲徳栄。2019年を最後に遠ざかっている甲子園へ、石塚(右)を軸とする強力打線が火を吹くか 【YOJI-GEN】

 7月11日に開幕する埼玉大会を占うのは、首都圏を中心に高校野球を追い続けるライターの上原伸一氏。実力上位の10校を選び、各校の強みやキープレーヤーを紹介する。2季連続で県優勝を果たした花咲徳栄が頭一つ抜けているが、同氏はその対抗馬として3校を挙げる。

4番の石塚を筆頭に攻撃陣にタレントが揃う花咲徳栄

 今年の埼玉は花咲徳栄が抜きん出ている。今春のセンバツ出場こそ逃したが、県2連覇中と圧倒的な力を示している。

 花咲徳栄を追うのが、昨秋から2季連続で準優勝の昌平、2季連続でベスト4の山村学園、そして春は3回戦で姿を消した浦和学院だ。他にも2季連続でベスト8の埼玉栄など、虎視眈々と頂点を狙う実力校がひしめいている。

 1位の花咲徳栄(秋季:優勝/春季:優勝)は春、打線が破壊力を見せつけた。県大会5試合での総得点は実に58。昌平との決勝では20点を挙げた。

 攻撃陣にはタレントが揃っている。4番に座るのは堅守の大型遊撃手・石塚裕惺(3年)。ドラフト上位候補の石塚は春の県大会で6割近い打率をマークし、高校通算24本塁打と長打もある。

 石塚の前後を打つ2人も強打者だ。3番の生田目奏(3年)は県準々決勝から決勝までの3試合で14打数7安打7打点。5番の田島蓮夢(2年)は決勝で6打点を挙げるなど、好機に強い。

 スタメンの野手はほぼ全員が足も速い。春の大会では例年通り、バントは用いなかったが、機動力を使った細かい戦術もチームの強みとしている。

 投手陣も充実している。最速149キロの力があるストレートを繰り出すエース右腕の上原堆我(3年)、安定感がある右の岡山稜(3年)、制球力に優れた左の今井大地(3年)、緩急が持ち味のサウスポー・額川康一(3年)らが、それぞれの役割を全うする。
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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。外資系スポーツメーカーなどを経て、2001年からフリーランスのライターになる。野球では、アマチュア野球のカテゴリーを幅広く取材。現在はベースボール・マガジン社の『週刊ベースボール』、『大学野球』、『高校野球マガジン』などの専門誌の他、Webメディアでは朝日新聞『4years.』、『NumberWeb』、『ヤフーニュース個人』などに寄稿している。

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