U-16代表の「ミニ世界大会」が福島で開幕 欧州、南米、アフリカの異大陸マッチが生み出すモノ

川端暁彦

地元開催の今大会は「絶対に負けられない」

U-16日本代表を率いる廣山望監督はパラグアイなどでのプレー経験も持つ元日本代表MF 【撮影:川端暁彦】

 もちろん、だからと言ってこの年代のチームと個人を強化する上で、「アウェイでの経験」を軽視しているわけではまったくない。

 実際、今年に入ってからは2月初旬にアルガルベカップ(ポルトガル)、2月末から3月にかけてトルコ遠征、そして3月末から4月にかけてはモンテギュー国際大会(フランス)と3度の海外遠征を消化。ドイツ、オランダ、ポルトガル、スペイン、デンマーク、フランス、メキシコ、ウェールズ、チェコ、コートジボワールのU-16代表と異国の地で対戦する経験を積んできた。

 廣山望監督はそうした戦いの中で抽出したチームとしての課題を改めつつ、個人の課題については当人にフィードバック。チームに戻っての取り組みを促しつつ、今大会で集まってからは、「勝利」を強調。ホスト国として恥ずかしい戦いはできないというプレッシャーをあえて選手たちにも共有しつつ、大会に臨んでいる。

 指揮官は「まずしっかり勝ちにこだわり、勝者のメンタリティを得られるようにしたい」ともコメント。ポルトガルやトルコの遠征では選手を試したり、課題を抽出する場とする中で大敗も目立つことになったが、フランスで行われたモンテギュー国際大会では強豪と渡り合い、決勝進出まで後一歩というところまでたどり着いた。

 そうした流れを踏まえて、今大会は地元開催ゆえに「絶対に負けられない」(横井)というプレッシャーを乗り越えながら勝利を重ね、チームと個人の財産を作りたい考えだ。

 チームとしてのターゲットは、来年秋に開催されるU-17ワールドカップ。そこで大きな飛躍を迎えるためにも、まずはこの地元開催の「ミニ世界大会」での結果をつかみ取りにいく。

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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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