マジョルカの古参ライージョ&アブドンが語る 「久保建英」「日本サッカー」「エスパルス」

吉田治良

エスパルスの試合結果が気になるように

今回マジョルカは、22年12月に締結した清水エスパルスとのパートナーシップ契約を、さらに2年間延長した。人的交流が今後、さらに活発になりそうだ 【(C)J.LEAGUE】

──日本のサッカーのレベルについては、どのように見ていますか?

アブドン 実は去年、日本に来たときに、(アンドレス・)イニエスタ選手のヴィッセル神戸退団セレモニーを生で見たんです。あの雰囲気はすごかったし、素晴らしいサッカーの国だと感じました。もし、将来的にマジョルカを離れるようなことがあれば、そのときはJリーグでプレーしてみたいという想いもありますね。

──ライージョ選手も、いつか日本で?

ライージョ アブドンとは違って、今のところそういった未来を考えたことはないですね。日本サッカーについて言うと、その昔エスパニョールのBチームにいた頃(13-14~14-15シーズン)に、日本のアンダー世代の代表チームと試合をしたことがあるんですが、当時から日本にはフィジカル面、技術面で優れた選手が少なくなかった。ただ、戦術面やサッカーの理解度という部分では、まだまだ我々のレベルには達していませんでした。もちろん、この10年でかなりの進歩を遂げているでしょうが、たとえばタケのような、ある意味スタンダードの日本人選手から少し外れたタレントがもっと出てくれば、日本サッカーのレベルはさらに上がると思っています。

──22年のカタール・ワールドカップで、日本はスペインを倒しましたが……。

ライージョ たしかにそうですが、あの結果が試合内容に見合っていたとは思えません。

アブドン 何が起きるか分からない。それがサッカーの良さでもあるけどね(笑)。

──今回の来日は、マジョルカのメインスポンサーである『株式会社タイカ』のプロモーション活動や、清水エスパルスとのパートナーシップ契約の延長が目的です。(清水のオフィシャルパートナーでもある)『タイカ』の仲介でスタートしたエスパルスとの提携関係も、すでに2年が過ぎましたが、選手レベルではこれまでどういった交流があったのですか?

ライージョ クラブのメソッド部を通じて、練習メニューなどに関して活発に情報交換をしてきました。ただ一番の目的は、タレントの発掘。何人かの日本の若い選手がマジョルカの練習に参加していますし、やがてはマジョルカの選手がエスパルスの練習に参加するようにもなると思います。

──若い日本人プレーヤーと一緒に練習をする機会はありましたか?

アブドン トップチームではなく、マジョルカのBチームやユースチームの練習に参加していたので、残念ながら一緒にボールを蹴ることはありませんでした。それでも練習後に話す機会はありましたし、彼ら日本の若手と交流できた意義は大きかったと思います。私自身も、この2年はエスパルスの試合結果がすごく気になるようになりました(笑)。昨シーズンは惜しくもプレーオフの末に昇格を逃しましたが、今シーズンは現時点でJ2の首位ですからね。今度こそJ1に昇格してほしいと願っています。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1967年、京都府生まれ。法政大学を卒業後、ファッション誌の編集者を経て、『サッカーダイジェスト』編集部へ。その後、94年創刊の『ワールドサッカーダイジェスト』の立ち上げメンバーとなり、2000年から約10年にわたって同誌の編集長を務める。『サッカーダイジェスト』、NBA専門誌『ダンクシュート』の編集長などを歴任し、17年に独立。現在はサッカーを中心にスポーツライター/編集者として活動中だ。

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