人気アマが試打!テーラーメイド「Qi10 MAX」「Qi10」「Qi10 TOUR」レスキューを打ち比べ

スポナビGolf

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テーラーメイドのユーティリティーといえば「レスキュー」ですよね。ここまでユーティリティーが多く使われるようになる前から販売されており、当時から人気が高かったのを記憶しています。

毎年新作が発売されるテーラーメイドですが、今作の「Qi10」シリーズでも新しいレスキューが登場しています。レスキューは毎回いいクラブなので今作も期待の持てるクラブです!今回もオレンジマンが試打をしてきました。

「Qi10」レスキューのヘッドは3種類

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ドライバー、フェアウェイウッド同様にヘッドタイプは3種類です。

・やさしさマックスの「Qi10 MAX」
・スタンダードの「Qi10」
・アイアンライクな「Qi10 TOUR」

どれも特徴があり違ったクラブでした。さっそくデータと共に詳しく見ていきましょう!

見た目から分かること

ドライバー、フェアウェイウッドの流れを汲んだデザインになっているので、シンプルで落ち着いた雰囲気を感じさせるソールデザインです。

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フェアウェイウッドは「TOUR」のみ可変ウェイトが装着されているなど違いはありましたが、レスキューは「TOUR」のみ取り外し可能なネジ式のウェイトが装着されています。アジャスタブルホーゼル(カチャカチャ機能)はこれまで同様に「TOUR」のみに搭載されています。(※ちなみに前作では"TOUR"ではなく"PLUS"でした)

ソールデザインは統一感を感じるものの、アドレスをとってみるとヘッドの見え方は大きく違いがありました。「MAX」と「スタンダード」は似た形状で、フェアウェイウッドを細長くしたようにトゥ側とヒール側が締まって見えますが、「TOUR」はトゥ側が膨らんだ形状でまるで別物に見えます。

さらにフェースを見てみると同じように「MAX」と「スタンダード」はフェアウェイウッドのような形状ですが、「TOUR」ではトゥに高さがあるアイアンのようなフェース形状をしています。「MAX」と「スタンダード」の形状は似ていても大きさは全然違っていて「MAX」は一回り大きく見えますね。

この時点で、好き嫌いがハッキリと分かれるのではないでしょうか。個人的には「TOUR」のような形状は苦手で、どうしても左へ引っ掛けてしまうイメージが出てしまいます。いざ打ってみるとそんなことはないのですが、アドレス時にそこを気にしながら打つのは気持ち悪さを感じますよね。意外と重要なことかなと思います。

さらにフェースで言うと「MAX」と「スタンダード」にはドライバーやフェアウェイウッドにあったフェース上部にレーザー加工が施された白いラインがありますが「TOUR」には施されていません。フェースの向きを確認するのに役立つので、「TOUR」にもあってほしかったですね。

実際に打ってみた!

今回の試打では全て純正シャフト(S)での試打です。番手は4番で統一。ヘッドスピードは40m/s前後になるように調整して打ち、計測データは5球の平均値になっています。

Qi10 MAXレスキュー(Diamana BLUE TM60)

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ヘッドスピードは40.3m/sで初速が58.2m/sとまずまず。スピン量5213rpmと多めです。打ち出し角度は17度と高めでした。飛距離は201yとまずまずの飛距離性能です。

やはりドライバー、フェアウェイウッドとコンセプトは同じで、とても球が上がりやすいですね。ロフト設定は23度で「スタンダード」よりも1度寝ている設定です。それでも1度の違い以上に球が上がりやすく感じますね。

実際にスピン量も多いことから、グリーンでは止まりやすいと思いますが、裏を返せば飛距離は出しにくいので最大飛距離を求める方へは不向きと言えます。

ソール幅も広いことから球の拾いやすさも感じますし、ソールがよく滑ってくれるのでヘッドの抜けも良さそうに感じます。

やさしいモデルではフェースが左を向いているものが多い中、意外とストレートに近いのが好印象でした。それでも捕まり感はあるので基本的にはドローボールが打ちやすいと思います。

3モデルに共通しているのが、シャフトが割としっかりしている点。リシャフトをしなくてもそのまま使える方も多いと思いますよ。

●こんな人におすすめ
・ユーティリティーが苦手な方
・ロングアイアンが苦手な方
・球を上げたい方
・簡単なクラブを使いたい方
Qi10 レスキュー(Diamana BLUE TM60)

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ヘッドスピードは40.4m/sで初速が60.2m/sと高初速。スピン量は4609rpmと適正値。打ち出し角度は15度で、飛距離は210yと高い飛距離性能です。

「MAX」と比べると一回り小さいヘッドサイズでシャープなので、とても振り抜きやすかったですね。一気にお助け感がなくなるので、難しく感じるかもしれませんが操作性は高いと思います。ある程度ご自身で弾道を操れる方はどハマりするのではないでしょうか。

捕まり具合も悪くはなく、普通に球も上がります。それでもしっかり前に飛ぶので飛距離を出せるクラブですね。

やさしいクラブを使うと左へのミスが出る方や、球が上がり過ぎるのを嫌う方はヘッドスピードがそこまで速くなくても「スタンダード」を選択肢に入れてもいいと思います。「MAX」がオートマチックとするなら「スタンダード」はニュートラルな設定で、使う人を選ばないクラブに感じました。

●こんな人におすすめ
・安定感を求める方
・操作性を求める方
・飛距離を求める方
Qi10 TOUR レスキュー(Diamana SILVER TM70)

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ヘッドスピードは40.6m/sで初速が59.2m/sと高初速。スピン量は4366rpmとやや低スピン。打ち出し角度は15度と低め。飛距離は208yとまずまずの飛距離性能です。

これは、なかなか手強いクラブですね……。球の上がり方や捕まり方やスピン量を見ると、簡単なクラブではありません。ヘッド自体もとてもコンパクトで、難しさを感じます。ただこれだけ小ぶりのヘッドだとラフからの抜けは良さそうですけどね。

ただ、3モデルの中で一番打感が良かったのは「TOUR」です。「MAX」と「スタンダード」はクラウンがカーボン製ですが、「TOUR」はフルメタルなので打感に違いがあるんでしょうね。やや軽めで弾き感のある打感です。

やはりこのクラブ、単純にヘッドスピードの速い方向けと思っていいのではないでしょうか。良く言えば左へのミスを減らしてくれるクラブなのですが、同時に右へのミスも増えていきます。ミスの方向が変わるだけで、ミスが減らないのがさらに難しく感じますね。

飛距離性能も決して高くはありませんし、使いこなせる人は限定的になるのかなと感じました。

●こんな人におすすめ
・ヘッドスピードの速い方
・操作性を求める方

まとめ

それぞれが特徴的で三者三様の試打結果になりました。

フェアウェイウッドに近く、とにかく球が上がりやすく打ちやすい「MAX」と、一般的なユーティリティーらしく見た目や弾道にも癖のない「スタンダード」に、真逆のコンセプトのような尖った性能の「TOUR」という印象でした。

特に「MAX」は、これまでの同社のユーティリティーの中でもかなりやさしくて珍しいモデルです。ドライバーやフェアウェイウッドの流れでユーティリティーも揃えたいと考えている方はまずは「スタンダード」を基準に選択されるといいかもしれません。

前作「ステルス2」をお使いの方が急いで買い替えする必要があるかと言われたら、現状維持でもいいと思います。

今よりもうちょっとやさしくしたいなら、一度「MAX」から試してみてください。ぜひ参考になれば幸いです。

テーラーメイドのレスキューをチェック

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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