福永祐一が騎手人生最大の絶望を味わった13年ダービー 「これ以上難しい馬は現れなかった」と振り返る名馬は?
自身の才能を見極め、己と向き合い続けた男の「思考」と「決断」の軌跡。
福永祐一著「俯瞰する力 自分と向き合い進化し続けた 27年間の記録」から、一部抜粋して公開します。
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【写真は共同】
勝てない自分への言い訳──「ダービーなんて価値がない」
こうしてダービーでの経験値は着々と増えていったし、父親が勝てなかったレースということで、ダービーの時期になると毎年のように「福永家の悲願」といったフレーズが使われた。
だが、当時の自分は、インタビューなどで勝ちたいレースのような話題になると、「有馬記念を勝ちたい」とか「ジャパンカップを勝ちたい」と言ってみたりなど、ダービーに対する思いを口にすることはなくなっていた。
今だから明かせる話だが、それどころか、雑談をいいことに「世界的に見れば、もはや日本ダービーなんて価値がない。だから、別にダービーなんて勝たなくてもさ」なんて言う始末。
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