福永祐一著「俯瞰する力 自分と向き合い進化し続けた 27年間の記録」

“馬に乗ったことがない”コーチとの出会いからフルモデルチェンジ 福永祐一が振り返る「競馬の正解」と言語化

福永祐一
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 誰もが「天才ジョッキー」と評する父・福永洋一が果たせなかった日本ダービー制覇、無敗のクラシック三冠。まさに全盛期のトップジョッキーが突如、調教師に転身――。その大きな原動力になったものとは?
 自身の才能を見極め、己と向き合い続けた男の「思考」と「決断」の軌跡。

 福永祐一著「俯瞰する力 自分と向き合い進化し続けた 27年間の記録」から、一部抜粋して公開します。

【写真は共同】

〝馬に乗ったことがない〟コーチに求めた劇的な変化

 時を同じくして、角居勝彦調教師(当時)に「面白い人がいるから会ってみないか?」と声をかけられた。そこで出会ったのが、後にコーチを依頼することになる小野雄次さんだ。小野さんは、馬のサプリメントを扱う会社のスタッフとして角居厩舎と契約していた人物で、厩舎をたびたび訪れていた。

 話を聞いてみると、障害馬術日本代表アドバイザーとして、オリンピックに出場する杉谷泰造選手(6回のオリンピック出場経験を持つ馬術選手)に帯同した経験があるほか、自身もアルペンの大回転やバイクのレーサーをやっていたという。角居先生が「面白い人」として紹介したのも納得の経歴の持ち主だった。

 そんな小野さんが専門としていたのが動作解析で、レーサーをやっていただけに、コーナーワークの身体の使い方など、合理的でしっかりとした理論を持っていた。

 以前からジョッキーの動作には興味を持っていたそうで、角居先生に聞いたところによると、自分以外にも何人かジョッキーを紹介したものの、小野さんの話にみんな聞く耳を持たなかったとか。
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