兵庫から世界制覇を目指すイグナイターの挑戦 2006年コスモバルク以来、地方2頭目の海外GI勝利へ

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現地ドバイでの調教でも軽快なスピードを披露したイグナイター、兵庫から世界へと羽ばたく! 【写真:REX/アフロ】

 3月30日(土)に中東のアラブ首長国連邦で開催されるドバイワールドカップデー。1年上半期の世界の競馬を彩る祭典であり、1996年の初開催から数えて今年で28回目を迎える。毎年、日本からも各カテゴリーの最強馬クラスが大挙出陣しており、今年は2400m芝のドバイシーマクラシックに昨年の三冠牝馬リバティアイランド、1800m芝のドバイターフに日本ダービー・有馬記念の勝ち馬ドウデュース、そしてメインである2000mダートのドバイワールドカップには連覇を狙うウシュバテソーロなど、JRAからはGI(JpnI)勝ち馬10頭を含む22頭がエントリーしている。

 これら日本馬のビッグネームを見るだけでもワクワクしてしまうわけだが、今年はもう1頭、日本の競馬ファンを熱くさせてくれる快速馬が海を渡った。それが兵庫競馬所属のイグナイターだ。

2022年、23年の地方年度代表馬

 これまで、JRAのトップホースを相手にダートグレード競走を4勝。昨年は秋のダート短距離王決定戦・JBCスプリントを制し、待望のGI級レース初勝利を飾った。さらに、2022年、2023年と2年連続で地方競馬の年度代表馬にも選出。現在の地方競馬の“顔”というべき存在がこのイグナイターというわけだ。

 昨年までは地方競馬場でJRA馬を迎え撃つ立場だったが、今年は一転、外へと撃って出たイグナイター陣営。まずはJRA・GI制圧を目指して、2月18日に東京競馬場1600mダートで行われたフェブラリーステークスに参戦し、2番手追走から直線先頭であわやというシーンを作ったものの、最後はバテてしまい1秒0差の11着に敗れた。

 しかしながら、もともと1600mはやや長いと言われた中での見せ場たっぷりの競馬には陣営からも納得の声。レース後、同馬を管理する新子雅司調教師は「直線が長かった。でも、手応えを感じたレースだった」と前向きなコメントを残している。

 そして、イグナイターの挑戦は東京で終わったわけではない。次のターゲットに見据えたのが、このドバイだったのだ。

栗東、ドバイで順調に調整 笹川騎手も「非常に楽しみ」

 ドバイワールドカップデーには芝、ダート、長距離から短距離まで様々なカテゴリーのGIレースがある中、兵庫の雄が名乗りを挙げているのは1200mダートのゴールデンシャヒーン。昨秋のJBCスプリントと同じ距離であり、今度はスタミナを気にせず自慢のスピードを全開にできる絶好の舞台だ。また、そのJBCスプリントでともに初のGIタイトルをものにした笹川翼騎手(大井)と再タッグというのも心強い。

 フェブラリーステークス後はダメージもなく、この中間は順調に調教を積んだ様子。検疫のために滞在した滋賀県・栗東トレーニングセンターでは日々ドウデュースに先導してもらいながら調整を進め、国内最終追い切りでは新子調教師自らが手綱をとって坂路単走で力強い動き。そして、ドバイ到着後も疲れを見せず、3月27日の追い切りでは決戦の舞台であるメイダン競馬場を軽快なフットワークで駆け抜けた。騎乗した笹川騎手も「日本にいるときと変わらない状態。非常に楽しみ」と愛馬の好勝負に自信を深めるコメントを出している。

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