鍵山優真・単独インタビュー「表現の頂点を目指して頑張りたい」 2026年五輪に向け、身につけたいのは“自信と安定”

沢田聡子

振付師・ニコル氏からの賛辞「あなたを誇りに思う」

美しいスケーティングで魅了した鍵山のフリー 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

――ショート『Believer』を振り付けたシェイ=リーン・ボーンさん、フリー『Rain, in Your Black Eyes』を振り付けたローリー・ニコルさんは、お2人とも今大会の地元であるカナダの方ですね。

 僕自身としても、カナダという場所でこのショートとフリーを完成させたいという思いが強かったので本当に満足ですし、チームの皆さんも満足してくださって、すごく嬉しいです。

 ローリー先生には、僕から「(試合中)近くに立ってほしい」とお願いしたので、今回は来て下さって。フリーの後には、「あなたを誇りに思います」と言っていただきました。でも本当に素晴らしいこの振付をして下さったのは、ローリー先生なんですよね。

 このショートとフリーは2シーズン使っているわけですけれども、2年間でここまで完成させることができたので、よかったなと思います。

――記者会見でマリニン選手について聞かれた際、来季のプログラムはスケーティングの良さを生かし、GOEを稼げるものにしたいと言っていました。具体的に決まっていることはありますか?

 ジャンプ構成については、ショートもフリーもまだ決まっていません。来シーズンはショートもフリーも(プログラムを)変える予定でいるので、また新たな違う自分を見つけられたらいいなと思います。

 ジャンプはもちろん大事ですが、それ以外のスピンやスケーティング・表現力といったすべての技術もすごく大事になってきます。「すべての技術を高いクオリティでやらないと、マリニン選手には追いつくことができない」と今大会はすごく感じたので、全部頑張りたいです。

――目標である2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の金メダルに向け、大きく前進した大会となりました。あと2シーズンで身につけたいこと、また自分の強みと感じている部分を教えてください。

 まずは、どの試合でも高いクオリティのパフォーマンスができる自信やメンタルを身につけたいなと思います。これから、アダム(・シャオ・イム・ファ)選手やマリニン選手など、いろいろなトップの方と同じ試合に出ることになります。彼らは毎試合毎試合高いクオリティのパフォーマンスをしていて、すごい。僕も負けないように、まずは安定した演技をするのが一番大事だなと。あとは、もっと印象に残るような、僕にしかできない表現やスケーティングをするのが一番の目標です。

――鍵山選手はスケーティングの質が良いこと、それからジャンプ等のGOEが高いことが強みという印象があります。

 今シーズンの初めから今までの成長を考えると、意識や見た目もすごく大きく変化したかなとは思います。でも、まだまだ「もっとこうできたな」という部分も実際はあるので。そこは来シーズンの新しいプログラムで、悪いところをすべて改善できるようにしたいです。本当に僕自身も、もっともっと、もっともっと表現の頂点を目指して、頑張りたいなと思います。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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