君はドレシェヴィッチを見たか!? 好調・FC町田ゼルビアの最終ラインにこの男あり!

青山知雄

町田で、新たなチャレンジ

町田ではセンターバックとしてプレー。技巧派DFがチームに新しい風を吹かせるか 【写真:Jリーグフォト】

──ヨーロッパで確かなキャリアを積み上げてきた選手が、27歳という年齢で町田への移籍を決めました。

 とにかく新しい挑戦をしたかったんです。ゼルビアがここから大きくステップアップしていけるチームだと感じましたし、自分もその力になりたかった。タイミングも合ったと思います。そういう部分ではこのチームでしっかりプレーして、もっともっと自分を磨いていきたいですね。

──オファーをもらった時の口説き文句は覚えていますか?

 チームのビジョンやプランを聞いて、これはいいチームだなと思いました。J1に昇格したばかりのチームをリーグトップに引き上げたいと。そういう意味では一つひとつの考え方がマッチした感じですね。

──実際に合流してみた感想はいかがですか?

 最初にもお話ししたとおり、環境も選手も予想していたよりも素晴らしいです。スピードも技術もあって、非常に能力の高い選手がそろっている。ここは本当にいい意味で裏切られたというか、いいチームに来たと思っています。

──黒田剛監督のサッカーについても聞かせてください。本当に勝利から逆算されたスタイルを徹底してたたき込んでいる印象です。

 本当にいい考え方を持った監督だと思いますし、今は選手もみんな監督の話を聞いています。開幕から結果が出ていますし、これからどんどん良くしていきたい。みんなで監督の言葉を信じながらチームを作っている状態ですね。素晴らしい人だと思います。

──少し変な質問かもしれないですが、一つ聞かせてください。町田のサッカーは「勝利至上主義」という印象が強く、相手の嫌がることを徹底していくスタイルに思えます。ただ、それを批判的に見る人がいるという現状もあります。実際にヨーロッパでプレーしていたイボ選手から見て、町田のサッカースタイルはどう見えていますか?

 シンプルに考えていいチームだと思いますよ。引いて守りを固めるわけではなく、攻守にアグレッシブな姿勢を見せていますし、みんながコンパクトにまとまる。そこを徹底して取り組むことができていると思います。

──そんな中、黒田監督からはどんなことを求められていますか?

 まず監督に求められることはすべてやりたいと思っていますし、自分の長所を活かしながら、しっかりと織り交ぜながらやれています。例えばロングボールと短いボールでしっかりつなぐ部分、いろいろなことを考えながら、監督が求めることに合わせて日々やっている状況ですね。

──ヨーロッパのトップレベルを経験してきましたが、そこで培ったストロングポイントを自分ではどう見ていますか?

 パスをしっかり通せること、そしてゲームの展開を読めること。この二つが最大の武器だと思います。いつもしっかりと確信を持ってプレーしていますから。これはどこでプレーしても変わらない。揺るぎない自信を持って、自分のストロングポイントを見せていけると思っています。

──Jリーグでのプレーを具体的に見ていくと、空中戦の強さや寄せの速さといった守備の部分はもちろん、ダイレクトで鋭い縦パスを入れたり、単純なクリアではなくヘディングでしっかりつないだり、相手から激しいプレスを受けても全く動じずにターンしてキープしたり、テクニックや視野の広さが光っている印象があります。こういうプレースタイルはどう身につけてきたのでしょうか。

 小さい頃から友達とフットサルをやっていたんですよ。そこでベーシックな技術を身につけました。自分の感覚としては、それが徐々につながって11対11の大きなピッチになっただけですね。

──狭いエリアでのプレーも全く意に介さずということですね。

 逆にそれは好きですね(笑)。ミスは恐れていませんし、何かやりたいと思ったらトライしてしまう性格でもありますから、

──最終ラインにゲームメーカーがいるように見えます。

 そうですね。私がボールを持つことによって、チームがしっかり調和を持って動くことができたらという心掛けをしています。

──今後、どんな選手になっていきたいですか?

 誰もが完璧ではないので、成長を止めることなくどんどん学んでいきたいですね。まずDFとして求められるのはポジショニング、あとはゲームの先を読む力です。そこがなければ、次の動きができませんから。仮に相手が仕掛けてきたとしても、次に対処すべきことが分かっていたら落ち着いてプレーできる。それがいいディフェンダーの条件だと思いますし、個人的にも磨いていきたい部分です。

──4月13日の第8節では国立競技場でリーグ王者のヴィッセル神戸を迎え撃つことになります。

 リーグチャンピオンとの試合は、本当に重要なゲームになると思います。どのゲームも同じ一試合ですが、それでも重要なゲームはありますし、そこで勝つことが大切になると思います。国立競技場はすごい雰囲気だと聞いていますし、そこでチーム一丸となって勝つことができたら大きな喜びを得られるはずです。

──神戸の印象はいかがですか?

 アンドレス・イニエスタ選手がいたことは知っています。まだそこまで分析できているわけではありませんが、ロングボールを蹴ってきたり、前線からハードにプレスを仕掛けたりしてくるチームというくらいでしょうか。ただ、どんなプレスに対しても解決法はありますので、うまく対応していきたいと思っています。

──今後、町田でどんなことを成し遂げたいと思っていますか?

 自分がやるべきことは決まっています。まずはしっかりと自分のプレーを出してチームを助けること。そしてチームとして上に行かなければならないので、そのために尽力して、チームを助けるようなプレーをしていきたいですね。

──最後に町田が持つ可能性について感じていることを教えてください。

 ゼルビアの将来性、可能性は無限にあると思いますよ。良い選手がそろっていますし、素晴らしい監督もいます。みんなが同じ方向に向かっていけば、本当に可能性が広がっていくと感じています。

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著者プロフィール

2001年からJリーグやJクラブの各種オフィシャル案件で編集やライターを歴任。月刊誌『Jリーグサッカーキング』で編集長も務めた。関係各所に太いパイプを持ち、2017年から2023年までDAZNで各種コンテンツ制作に従事。現在はフリーランスとしてJリーグ、日本代表を継続取材している。

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