早大野球部 明治神宮大会展望 いざ決戦!「春の忘れ物」を取り返し頂点へ

チーム・協会

第55回記念明治神宮野球大会 11月23日 神宮球場

 第55回記念明治神宮野球大会(神宮大会)が11月20日に開幕する。今春の全日本大学野球選手権(全日本)では、決勝で青学大に敗れ、涙をのんだ早大。東京六大学秋季リーグ戦(リーグ戦)を制し、「春の忘れ物」を探す航海への挑戦権を手にした今、印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)体制で臨む最後の大会で目指す物は1つしかない。春の悔しさを晴らし、『覇者早稲田』こそが王者にふさわしいことを証明する。

全日本で青学大の胴上げを見た悔しさは忘れない 【早稲田スポーツ新聞会】

 11月23日の初戦で伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)が先発し、翌日の準決勝に進出すれば、宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)が、11月25日に行われる決勝戦に進出すれば、伊藤樹が再び先発する展開が想定される。やはり神宮大会でも、早大の命運を握るのは、エース・伊藤樹となるだろう。リーグ戦で2季連続のベストナインを獲得した伊藤樹は、慶大1回戦でこそ7回5失点と大乱調に陥ったものの、それ以外の登板ではほぼ完ぺきな投球を披露。優勝決定戦でも9回完封奪三振9の快投を見せ、春秋連覇をもたらした。全国の舞台でもリーグ戦通りの快投に期待が懸かる。また、準決勝の先発を担うであろう宮城も夏を経て大きく成長。奪三振能力が大きく向上し、リーグ屈指の先発左腕へと成長を果たした。リリーフでは田和廉(教3=東京・早実)の活躍に期待が懸かる。早大投手陣随一のパワーピッチャーが、全国の猛者を相手にどのような投球を見せるのか、注目だ。

神宮大会でもやはりエース・伊藤樹の快投に期待だ 【早稲田スポーツ新聞会】

 打線で特に期待が懸かるのは、吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)だ。リーグ戦終盤こそ大不振に苦しんだ吉納副将だったが、優勝決定戦では追加点のきっかけとなった二塁打を含む2安打を放つなど復調傾向にある。神宮大会に出場する選手の中でも、「飛ばす力」はトップクラス。紺碧の空にアーチを架け、有終の美を飾りたい。また、山縣秀(商4=東京・早大学院)にも要注目。アマチュア随一の守備力で「試合を決める」働きに期待したい。下級生では、小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)の爆発に期待したい。大舞台でこそ力を発揮するお祭り男は、優勝決定戦で3安打を放つ活躍でチームを勝利に導いた。全国でも引き続きの活躍に期待が懸かる。小澤の気になる点を挙げるとすれば、今秋本塁打がゼロであること。全国の舞台でそのパワーを示すことができるか、注目だ。さらに、印出主将は中京大中京高時代、主将として臨んだ神宮大会で優勝した経験を持つ。大学生活最後に迎えた、再びその頂きに挑む舞台。慣れ親しんだ神宮で、最後の大暴れを見せてほしい。

完全復調が待たれる吉納副将 【早稲田スポーツ新聞会】

 注目チーム1校目は、青学大をピックアップする。互いに勝ち進めば決勝で対戦することとなる青学大は、今大会でも屈指の陣容を誇る。西川史礁(4年)、佐々木泰(4年)のドラフト1位コンビや小田康一郎(3年)、渡部海(2年)、中田達也(3年)といった下級生陣が支える打線は迫力満点。特に西川、佐々木、小田は、一発で試合の流れを変える力を持っている。ただ、より警戒すべきは投手陣だ。軸となるのは、中西聖輝(3年)。最速152㌔を誇る右腕は今季、最優勝投手賞を受賞する活躍でチームをリーグ優勝に導いている。ストレートを軸としながら、スライダー、フォークで三振を奪うさまはまさに本格派そのもの。来秋ドラフトの上位候補にも挙げられる右腕を攻略できれば、おのずと勝利への道も見えてくる。リリーフでは鈴木泰成(2年)に要注意。187㌢の高身長から投げ下ろすノビのある直球を軸に、フォークとのコンビネーションで空振りを量産する、支配力抜群の投手が後ろに控える。また、児玉悠紀(4年)も大会屈指の好左腕。秋季リーグ戦では本調子とはいかなかったものの、今春のリーグ戦で最優秀防御率を獲得した実力派だ。

 また、今秋のドラフト会議で6名が指名された富士大にも要注目。打線の核となるのは、オリックスからドラフト1位指名された麦谷祐介(4年)だ。昨年の全日本では常廣羽也斗(現広島)から、神宮大会では下村海翔(現阪神)から本塁打を放つなど、大舞台での勝負強さは特筆すべきものがある。昨秋のドラフト会議で1位指名された彼らから本塁打を打っていることからも分かるように、そのパワーはアマチュアトップクラス。加えて、すでに球界1と評される脚力をも有するフィジカルモンスターだ。投手陣で警戒すべきは佐藤柳之介(4年)。最速149㌔という数字自体にはすごみを感じないかもしれないが、球質は抜群である。ストレートで空振りを量産する今大会ナンバーワン左腕だ。また、安徳駿(4年)もストレートに特色を持つ右腕。富士大と対戦するチームは、彼らの直球をつぶさなければ攻略の糸口をつかむことは難しいかもしれない。

 早大と初戦で対戦する可能性が高い環太平洋大に所属する、徳山一翔(4年)にも注目だ。最速153㌔を記録する左腕は、スプリットとのコンビネーションで空振りを量産するドクターK。今春は負傷の影響で登板することはできなかったものの、今秋復帰すると、7試合に登板し、防御率1.67を記録。順調な復調具合を見せつけ、楽天からドラフト2位で指名された。また、オリックスから2位指名を受けた寺西成騎(日体大4年)にも注目が集まる。今秋は防御率4点台とやや苦しんだものの、その能力は折り紙付き。全国の舞台で本領発揮となるか。打者では立石正広(創大3年)が上記の選手たち以外では最注目か。今夏の侍ジャパン大学日本代表候補合宿では打球速度の速いメンバーとしてその名が挙がるなど、そのフィジカルは大学球界屈指である。神宮での大暴れに期待が懸かる。

印出主将体制最後の公式戦となる神宮大会。有終の美を飾れるか 【早稲田スポーツ新聞会】

 全国の猛者が集う神宮大会。「春の忘れ物」を取り戻す航海への出航の時が迫っている。「神宮大会で青学をぶっ潰す」(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)。2010年以来の頂点をつかみ取り、最後は笑って神宮をあとにする。

小宮山監督を「日本一の監督」へ 【早稲田スポーツ新聞会】

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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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