実戦形式の打撃練習「ライブBP」でいきなり本塁打! 大谷翔平の早期復帰をサポートする最新の打撃マシン「ビジョン」とは?
ハーパーのメジャー復帰をサポート
トラジェクトアークには実際の投手の映像が映し出される。リリースポイントも投手に合わせて変化 【撮影:丹羽政善】
ブライス・ハーパー(フィリーズ)は22年11月23日に大谷と同じトミー・ジョン手術を行い、23年5月2日、マイナーリーグでのリハビリをすることなく、わずか160日でメジャー復帰を果たした。野手とはいえ、復帰例としては最短だ。
その過程でハーパーは、マイナーの投手に投げてもらうなどライブBPを重ねたが、まだ、スイングができないときは、トラジェクトアークで軌道の目慣らしを行い、さらに、スイングが解禁されると、そのマシンで打ち込んだという。これまで、マイナーで実戦感覚を養ってから、というのが通例だったが、その過程をまるごと飛ばした。
大谷には今後、オープン戦で打席を重ねる機会があるが、スイングが制限されている期間は、彼もまた、トラジェクトアークでトラッキングを重ねていたようだ。それによってどこまで遅れを取り戻せるのかだが、大谷は開幕までに50打席は立ちたいーーという会話の流れで、「ビジョンも、僕的には(50打席に)含まれる」と言った。言い換えれば、トラジェクトアークはそれぐらい”使える”ということになる。
結果が出るのは先だが、今年からトラジェクトアークは、試合中にも使用できるようになった。打席の間に時間がある大谷は、そのルール変更をどう味方につけるのか、その点でも興味深い。
なお、オープン戦の出場は来週前半が有力となった。開幕まで約3週間。大谷の中では、ライブBP、トラジェクトアークの打席数も開幕前に必要な打席数にカウントされるので、本人も「トータルで50っていうのは、すぐ行くんじゃないかな」と楽観的。完全に開幕戦が視界に入っている。