24年J1・J2「補強・戦力」を徹底分析!

3人の識者が推す2024年J1ブレイク候補 パリ五輪世代の有望株、A代表定着が狙える逸材…

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【河治良幸氏が推すブレイク候補3選】 レジェンドとも比較される鹿島のルーキー

関西学院大から鹿島に入った濃野は、攻撃力が魅力の右サイドバック。チームの期待は大きく、1年目から定位置をつかむ可能性もある 【Photo by Hiroki Watanabe/Getty Images】

 パリ五輪イヤーでもあり、今年注目の若手選手は多いが、そのなかでもJ1で大ブレイクを期待する1人がFW植中朝日(横浜F・マリノス)だ。V・ファーレン長崎からマリノスに加入して2年目となるが、ハリー・キューウェル新監督の4-3-3で、得点王のアンデルソン・ロペスとセンターフォワードのポジションを争う。

 U-23日本代表の大岩剛監督には精力的な守備を褒められたというが、それは植中にとって最低限の仕事であり、今年はさらに数字にこだわる。オフにはJFAアカデミー福島の同期でもあるベガルタ仙台のMF鎌田大夢と、欧州でセリエAやバルセロナの試合を観戦。新たな刺激を注入した。JFAアカデミーと言えばオランダ1部のスパルタで活躍する元アルビレックス新潟のMF三戸舜介が1つ下で、植中は「いい刺激をもらってる分、こっちでもちゃんと向こうに対して刺激を与えることができると思っている」と語る。パリ五輪の予選に当たる4~5月のU-23アジアカップはもちろん、本選のメンバー入りに向けて、マリノスで猛アピールしていく。

 2人目は古川陽介(ジュビロ磐田)だ。“選手権のスター”もプロ3年目となり、まさしく勝負のシーズン。持ち前のドリブルに磨きをかけるべく、「下半身、骨盤のトレーニングをすごく重点的にやった」と古川。それにより加速力や切り返しがレベルアップしただけでなく、突破からシュートに持ち込むタイミングがワンテンポ早くなったという。

 これまでの2年間はジョーカー的な起用が多かったが、左サイドの主翼としてチームを勝利に導く活躍が期待される今シーズン。2年ぶりのJ1で、確かな成長を見せつけることができるか。

 もう1人は大卒ルーキーの濃野公人(鹿島アントラーズ)だ。縦のスピードやクロスのセンスから“内田篤人2世”との呼び声もあるが、本人は「まだ比べられるまでもなっていない」と自認しながらも、「そういう人たちに追いついて、追い越していきたい」と並々ならぬ野心をのぞかせる。戦術理解力も高く、ランコ・ポポヴィッチ新監督からも期待をかけられる濃野は水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチでスタメン起用されるなど、開幕スタメンも見えてきている。彼も未選出ながらパリ五輪世代であり、序盤戦の活躍次第でライバルたちをごぼう抜きする可能性は大いにある。

【土屋雅史氏が推すブレイク候補3選】 J1初挑戦の2選手と、もう1人は…

J2の甲府からA代表に抜擢されて一躍注目を集めた三浦が、プロ2年目でJ1にチャレンジする。レギュラー獲りにとどまらず、移籍初年度から主力級の働きを見せても不思議はない 【Photo by Masashi Hara/Getty Images】

 2024年シーズンのJ1ブレイク選手予想というテーマを戴いたので、3人の選手をピックアップさせてもらった。1人目はFC町田ゼルビアのMF宇野禅斗だ。過去2シーズンはケガが多かったが、それでも昨季の終盤はボランチの定位置をがっちり確保。強度の高さと抜群の危機察知能力を守備面で活かしつつ、ミドルシュートでゴールを奪うなど攻撃面での成長も証明しながら、J1昇格に貢献した。

 もともと強い向上心を携えているだけあって、青森山田高でドイスボランチを組んでいた松木玖生(FC東京)の活躍ぶりに、刺激を受けていないはずがない。飛躍を期すプロ3年目にして、自身初となるJ1の舞台でも、十二分に通用し得る確かな実力を見せつけてほしい。

 2人目は川崎フロンターレの三浦颯太を挙げたい。元日のタイ戦で日本代表デビューも飾った左利きの左サイドバックは、ルーキーイヤーだった昨季の高水準のプレーが認められ、ヴァンフォーレ甲府から川崎へと完全移籍。宇野同様に初めてJ1にチャレンジする。

 最大の持ち味はフィジカルとスピードを駆使した縦への突破だが、帝京高時代は司令塔を務めており、ビルドアップに加わる技術や、ゲームを作る感覚も間違いなく持ち合わせている。新天地での起用法と本人のパフォーマンスによっては、一気に代表定着も狙えるのではないだろうか。

 3人目にはアルビレックス新潟の小見洋太を推す。2023年シーズンは初挑戦となったJ1で、守備の献身性とチャンスメイクで持ち味を発揮しながら、決定機逸に天を仰ぐ時間が続いたものの、第26節の浦和レッズ戦でリーグ初ゴールを記録。待望の結果を出したことは今季へのポジティブな材料だ。

 昌平高時代は1トップを任されていただけに、裏へと抜け出すタイミングと得点の匂いを嗅ぎつける能力にも秀でている。ゴールとアシスト両面で数字が付いてくれば、周囲の想像を超えるブレイクスルーを起こす可能性も決して小さくない。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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