日本馬が世界初の快挙に挑む米国祭典、日本ではGI・3連発 3日~5日の週末3連休はダート競馬が熱い!

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11月3日~5日の週末3連休はダート競馬が熱い! 米国で快挙に挑むウシュバテソーロらに注目だ 【写真:ロイター/アフロ】

 イクイノックスの衝撃の余韻がまだ残る中で迎える今週末のJRA競馬はGIレースが小休止。物足りない!と感じる人もいれば、いったん冷静になれるからむしろ歓迎という人もいることと思う。

 しかし、“JRAではGIが行われない”というだけであって、日本全国の競馬、そして世界の競馬を見渡せば、11月3日の金曜日から始まるこの3連休はビッグレースが目白押しとなっている。

世界最高峰のダート競馬の祭典・米国ブリーダーズカップ

 まず、世界的に注目を集めているのがアメリカ時間3日、4日の2日間にわたって開催されるブリーダーズカップ(BC)。米国競馬おなじみの祭典であり、ダート、芝、短距離、マイル、中距離、牝馬、2歳と、各カテゴリーのチャンピオンを一挙に決める、まさに1年の総決算とも言える2日間だ。

2021年ブリーダーズカップ・ディスタフを制して日本調教馬のマルシュロレーヌ(左)、ダート競馬の本場アメリカで牝馬ダートチャンピオンに輝く快挙となった 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 これまで、日本でも秋のGIシリーズ真っただ中であったことなどから日本馬の参戦はあまり多くはなかったが、近年は挑戦する馬が増加傾向。その中でのハイライトと言えば、やはり2021年開催だろう。芝の女王決定戦・フィリー&メアターフでラヴズオンリーユーが日本調教馬として初めてBCを勝利。さらに、牝馬ダートのチャンピオン決定戦・ディスタフでも日本調教馬のマルシュロレーヌが制するという2つの快挙を1日のうちに達成した。
 3頭目の日本調教馬によるBC制覇はあるか。今年は日本から距離が近い西海岸のサンタアニタパーク競馬場での開催とあって、大挙8頭もの日本馬が参戦。その中で最も大きな期待と注目を集めているのが、クラシックに出走するウシュバテソーロだ。

 同馬が出走するクラシックはBC全12競走のメインレースであり、ダートのチャンピオンディスタンスである2000mで実施される。すなわち、ダート競馬の本場アメリカにおける最強王者決定戦。芝の世界最高峰が凱旋門賞とするならば、ダートの世界最高峰がこのBCクラシックなのだ。

ウシュバテソーロが世界初のドバイ&BC同一年二冠に挑む

同一年にドバイワールドカップとブリーダーズカップ・クラシックの二冠を達成する世界初の快挙はなるか 【写真:ロイター/アフロ】

 そのダート世界一に挑むウシュバテソーロだが、“格”としてはアメリカの強豪馬にもまったく引けを取るどころか、むしろ上位に位置する存在とも言える。今年3月に行われたドバイワールドカップを勝利し、日本調教馬としては2頭目、またダートコースで実施されたレースでは初制覇を達成。ドバイワールドカップは春の世界ナンバーワン決定戦であり、いわばウシュバテソーロはすでに世界一の称号を手にしたワールドクラスの実力馬だ。

 10月30日に主催者から発表された想定オッズでもウシュバテソーロは単勝5.0倍、3番人気タイの評価(想定2番人気のアルカンジェロは出走取り消し)。この数字からも、日本調教馬による初のBCクラシック勝利の可能性は十分に高いと、現地アメリカでも受け止められている。そしてウシュバテソーロ自身、秋初戦となった前走の日本テレビ盃を余裕の勝利で飾っており、休み明けをひと叩きされた今回は100%、いや、それ以上の出来で本番に臨めるだろう。

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 ライバルとなるのは想定で単勝オッズ1番人気、キャリアわずか4戦で西海岸最大級のGIパシフィッククラシックを勝利してここに臨む4戦3勝の3歳馬アレイビアンナイト。そしてウシュバテソーロと並ぶ想定3番人気タイとなったのが、前走のGIホイットニーステークスを1秒0差で大勝して評価急上昇中の4歳馬ホワイトアバリオだ。レーティングもウシュバテソーロと同じ122を獲得している。

 ウシュバテソーロはこれら地元のトップホースたちを蹴散らし、アメリカでもダート最強の座を手にするか。もし、ドバイワールドカップとBCクラシックを同一年に勝つことができれば、アメリカ競馬史を代表する名馬ですらも達成できなかった世界史上初の快挙となる。

ソングライン、シャフリヤールらも挑戦

BCクラシックには3歳馬デルマソトガケも参戦、ケンタッキーダービー6着の経験を生かしたい 【写真:ロイター/アフロ】

 クラシックにはウシュバテソーロのほか、日本からはUAEダービーの勝ち馬で、米国3歳最高峰レースのケンタッキーダービーでも出遅れの不利がありながら6着と健闘したデルマソトガケが参戦。菊花賞、天皇賞・秋でGI連勝と乗りに乗っているクリストフ・ルメールとのコンビで今度はスタートを決めて全力を発揮したい。

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 また、芝のチャンピオン決定戦・ターフには2021年の日本ダービー馬シャフリヤール、芝のマイルには今年の安田記念&ヴィクトリアマイル覇者ソングラインと重賞2勝のウインカーネリアン、フィリー&メアターフには22年香港ヴァーズ勝ち馬のウインマリリンが出走予定。クラシックと合わせて上記の4レースは日本時間5日早朝の午前4時10分~7時40分に行われ、日本での馬券発売も決定している。ぜひ競馬ファンには早起きしてもらい、日本馬の応援とともに予想も楽しんでほしい。

 なお、日本では馬券が発売されないレースだと、日本時間5日のフィリー&メアスプリント(ダート1400m)にメイケイエール、ターフスプリント(芝1000m)にジャスパークローネが出走を予定している。

 振り返ればラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌが勝った2021年の開催場は今回のサンタアニタパークと同じ西海岸のデルマー競馬場だった。この”西海岸“を日本馬好走のキーワードとすれば、2年前以上の日の丸フィーバーを期待したいところだ。

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