NPBドラフト候補たちの“四国決戦”を見逃すな! 徳島vs.愛媛の「トリドール杯 チャンピオンシップ」に注目

金沢慧

徳島インディゴソックスの椎葉投手は四国アイランドリーグの2023年前期公式戦で15試合に登板。2勝0敗1S(防御率2.42)と結果を出した。 【©徳島インディゴソックス】

「トリドール杯 チャンピオンシップ」は9月22日(金)から開催!

 四国アイランドリーグplus(以下、IBLJ)では9月22日(金)から2023年シーズンの年間総合優勝を決めるトリドール杯 チャンピオンシップ(以下、CS)を開催する。

 IBLJではリーグ戦を前期、後期に分けて行うが、今年はどちらも徳島インディゴソックス(以下、徳島)が制した。そのため、CSは徳島と年間勝率2位の愛媛マンダリンパイレーツ(以下、愛媛)の対戦となる。

 CSでは先に2勝したチームが年間総合優勝となる。徳島には1勝のアドバンテージが与えられており、9月22日(金)にむつみスタジアムで行われる第1戦で勝てば王者となる。愛媛が勝利すれば、優勝の行方は翌日に松山の坊っちゃんスタジアムで行われる第2戦へもつれ込む。

 第1戦は「徳島県民応援デー」となっており、徳島県在住の方は入場無料。当日は徳島球団公認の四国大学チアリーディング部によるダンスショーのほか、パワーパフボーイズとのダンスイベントや、世界22ヶ国で活動するNEO阿波踊り集団「寶船 TAKARABUNE」による演舞も行われる。選手だけでなく観客も一体となって身体を動かし、盛り上がれるお祭りの場だ。

最速150キロ超が10人! 徳島の強力投手陣に注目

 CSでは徳島の投手陣に注目したい。球団公式SNSでも紹介されている通り、10人が最速150キロ以上をマークしており、今秋のNPBドラフト会議で指名される可能性の高い投手が多い。

 中でも椎葉剛の名前は覚えてほしい。リリーフを中心に22試合に登板し、リーグで日本人投手最速の157キロをマーク。リーグ公式戦扱いになるソフトバンクホークス3軍との定期交流戦でも4試合に登板し、打者23人に対して22打数1安打11奪三振と無双状態だった。他にも最速164キロをマークしたロドルフォ・マルティネス、安定して150キロ台が出ている宮澤太成、193センチの長身から常時140キロ台中盤を投げる左腕のシンクレア、20歳のクローザー・山崎正義など、独立リーグの球団としてはかなり豪華な救援陣を誇っている。

【四国アイランドリーグplusデータサイトから引用】

 上の表はIBLJ投手の各項目のランキング上位5名をあげたものだ。枠の都合上、同数で並んでいても最大5名までの掲載となっている。徳島は先発陣も層が厚く、CSの先発候補としては防御率1.51でリーグ最優秀防御率のタイトルを分け合った左腕の藤田淳平と池戸昇太、奪三振率10.99でリーグトップだった右腕の白川恵翔の名前が上がる。

 むつみスタジアムでの初戦は地元・池田高校出身でファンからの根強い人気を誇る白川の登板が予想される。今季の愛媛戦は44打数で被安打9、被本塁打0と抑えているが、与四死球が11あるのは気になる。入団4年目の今季は自己最速を更新する154キロを投げるなどドラフト指名に向けて成長した姿を見せているだけに、大一番で四死球から崩れないよう、攻めの配球に期待したい。

本塁打、打点の二冠王となった井上絢登のフルスイングを目に焼き付けよう!

【四国アイランドリーグplusデータサイトから引用】

 徳島打線を引っ張るのは豪快なフルスイングで魅せる左打者の井上絢登だ。以前からドラフト候補に挙がっており、昨年独立リーグのドラフト候補を書いたコラムでも、今年NPBで活躍している茶野篤政(徳島→オリックス)同様に注目選手として名前を挙げていた。上の打撃成績ランキングの表にもある通り、今年は14本塁打39打点で2年連続の二冠を獲得。さらに打率でも2位に入るなど確実性も上がった。速球とスライダーを武器とする右腕が多い愛媛投手陣の特徴を踏まえても、彼の活躍は必須だろう。

 打線でもうひとりキーマンとなるのは増田将馬だ。リーグでの盗塁数はダントツの37個をマーク、打率はリーグ4位の.309と俊足巧打でチームを引っ張った。対愛媛には.339と相性も良い。徳島に所属し、2015年のドラフトで巨人に指名された増田大輝の弟という話題性も含め今秋のドラフト候補として注目の存在なだけに、スカウトの印象に残る活躍を見せたいところだ。

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著者プロフィール

1984年生まれ、福島県出身。学習院大学在学中の2005年夏の甲子園で阪神園芸での整備員アルバイトを経験するなど、基本的には高校野球マニア。 筑波大学大学院体育研究科を修了後、2009年にデータスタジアム株式会社に入社し野球のアナリストとして活動を始めた。NHK-BSで放送されている「球辞苑」には2015年から出演している。2018年からは本所属を株式会社リクルートテクノロジーズ(現・株式会社リクルート)のデータ利活用の部署に移し、主にHRメディアでのデータ分析環境の整備や機械学習を用いたアプリケーション開発のPMOとして従事した。 2022年10月に独立し、現在は四国アイランドリーグplusのアナリティクスディレクターなどプロスポーツリーグ等でのHR領域のデータ活用推進を行っている。また、スポーツアナリティクスジャパン(SAJ)2022ではプロジェクトマネージャーを担うなど、スポーツをきっかけとした文化交流のカンファレンスやイベントの企画、運営にも携わっている。

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