19日開幕、アジア大会に挑む日本B代表 主将・柳田将洋が語るチームと自身の現在地

田中夕子

主将として9年ぶりにアジア大会に挑む柳田将洋 【写真:田中夕子】

 パリ五輪出場をかけた五輪予選が女子は16日、男子は30日から始まる。男子日本代表がネーションズリーグで銅メダルを獲得したこともあり、大会前から注目を集める中、同じく今年度最大のターゲットとするアジア大会に向け合宿を重ねている日本代表チームもある。
 A代表、B代表と分けられはするが、国際大会では同じ日の丸を背負う日本代表であることに変わりはない。そしてそのB代表で主将を務めるのが柳田将洋。日本代表として自身が初めて出場したのも14年に韓国・仁川で開催されたアジア大会だった。
 9年ぶりに臨むアジア大会へ向けたチームの現在地、自身の現状。独占インタビューを前編、後編に分けて掲載、前編ではアジア大会に向けた決意が語られた。(取材日:8月上旬)

9年ぶりのアジア大会で担うベテランの役割

――7月28日にアジア大会へ出場する12名が発表されました。チームの現状は?

 今年はいろいろなカテゴリーの大会も多く、12名が決まってもまだ合流していない選手もいます。なので固めきれているかというとまだそこまでは到達してない。実際、合宿がスタートした時からA代表とB代表の選手が入れ替わることも多く、そのたびに選手同士のコネクションをつくったり、新しく合流した選手にチームのルールを共有する作業もその都度あったので、そこは単純に大変なところでもありました。前提としてB代表のメンバーがガチっと決まっている中に誰か1人、後から入るという形であればさほど問題はないかもしれませんが、A代表から加わった選手がB代表でも主力になるので、そこからチームをどう作っていくか、というのは簡単ではありません。今年なりの難しさを感じながらここまでやってきた、というのが素直な感想です。

――チームづくりやチームビルディングを意識するうえで、キャプテンとしてどんなことを重視して取り組んできましたか?

 コミュニケーションはすごく大事にしてきました。まずはお互い話ができないと、何をやりたいかもわからないままコートに入るとチームはうまく動かない。特に今年のB代表に関しては、来年の五輪へつながるA代表と違って、今年始まって今年終わるチームですから。短期集中という意味でも、お互い何がしたいか、何をしなければならないかがわからないと何もできないままシーズンが終わってしまう。気になることは持ち越しにするのではなく、その都度コートの中で確認して解決する、というのは意識して取り組んできました。

 例えばお互いのディフェンスの範囲だったり、細かいこと1つ1つもそうですし、基本的には僕や(深津)旭弘さんから発信していくことが多いですね。若い選手が多い中で、いきなり「やれ」といっても無理ですし、それは僕が若い頃の経験もあるので、自分からいきなり発信する難しさも重々知っています。だからこそ言いやすい環境をつくるのはもちろんですが、チームの役割を認識してもらうという意味でも僕からいろいろ話すことは多くありました。

――柳田選手がアジア大会に初めて出場したのは大学4年生の2014年です。当時を振り返り、ご自身の役割やチーム状況は?

 自由にやらせてもらっていました。でも何が自分の役割なのか、よくわかっていなかった、というのも事実です。先輩選手を見ながら誰がどの役割をやっているのかを観察していました。だから今の若い選手も同じように、すごく頑張って自分の役割を果たそうとしてくれているので、今の自分はそこに対していかに視野が広げられるような声かけができるか。アドバイスができるかが役割だと思って取り組んでいます。

――そもそもアジア大会とは柳田選手にとってどんな大会ですか?

 アジア版オリンピックと言われますが、僕はオリンピックがわからないので正直そこはイメージでしかありません。全競技が集まるという意味では、感覚的にユニバーシアードに似ていますね。14年を振り返ってもアジア大会を芯から感じられる感覚はなかったのですが(笑)、BIGBANGとかPsyが開会式で歌って踊っているのを写真に撮ったのは覚えています。でも間違いなく日本代表として臨む大きな大会ではあるので、若い選手たちには代表でこれほど大きな規模の中で戦っている、という実感を得てほしい。プレッシャーに感じる時もあると思いますが、これから後々プレッシャーと直面する機会が増えていくのなら、早めに感じられたほうがいいですから。

 例えばオポジットの西山(大翔)や高橋(慶帆)、麻野(堅斗)、10代や20代前半の選手たちはさらに上へ行けばもっとプレッシャーがかかると思うので、早く味わってほしいというのはありますね。加えて、日本選手団としても選手村に入って、ハイパフォーマンスセンターとか、さまざまなサポート体制を目の当たりにする機会もあります。他競技の選手といきなり接点を持つのはなかなかハードルが高いかもしれませんが、たとえば陸上競技で0.1秒を争う選手たちがどんな生活をしているか。何を食べているか。どういう準備をしているのか。それを見て、何か感じるだけでも得られるものは全然違うはず。今後、選手としてのモチベーションにもつながることがたくさんあると思うので、若い選手だけでなく僕自身も、楽しみにしているところです。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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