プロ野球2023シーズン終盤戦の12球団見どころ

“吉井マジック”で大健闘ロッテの期待と課題 経験ではなく結果、CS舞台へ万全の体制で臨めるか

三和直樹

佐々木の復活、種市のタイトル争いに注目

現時点で「打」のMVPがポランコなら「投」は種市だ 【写真は共同】

 投手陣ではまず、佐々木がいつ戻ってくることができるか。離脱から全治2カ月とされた中、すでにブルペン投球は再開済み。9月中には戦列復帰できる見込みが出てきた。仮に9月中旬に復帰できれば、残りのレギュラーシーズンの中で3度、あるいは4度の先発登板が可能になる。現在7勝の佐々木が2ケタ勝利を挙げることができるか。規定投球回到達は難しいが、最多奪三振のタイトルに関しては再逆転が可能(現在1位と13奪三振差の3位)であり、期待したいところだ。

 その佐々木不在時に、エースとして奮闘を続けたのが、高卒7年目の種市篤暉だ。トミー・ジョン手術から復帰2年目の今季、元々高く評価されていたポテンシャルを開花させると、佐々木離脱後の後半戦開幕から4連勝で自身初となるシーズン10勝に到達した。ここまで20試合に登板して10勝5敗、防御率2.90。リーグトップの143奪三振をマーク。奪三振率10.64は、佐々木の13.76には劣るが、平良海馬(西武、9.36)、山本由伸(オリックス、9.20)を上回るものだ。

 種市に続き、西野勇士(8勝4敗、防御率2.81)、小島和哉(8勝4敗、防御率3.28)の2人が8勝を挙げていることも頼もしい。その他、美馬学、カスティーヨ、メルセデスと先発の駒は揃っているが、CSを見据えた際、佐々木、種市に続いての3人目が誰になるのか。佐々木の復活と種市のタイトル争いに加えて、「先発3枠目の争い」にも注目したい。

課題の7回を克服し、万全の体制でCSへ

 改めて、118試合を終えて貯金7の2位という成績は、新体制1年目だということを考えると十分に合格点だろう。だが、ここで満足するわけにはいかない。首位オリックスとの9.5ゲーム差を覆すのは困難だが、CSというシステムがある限り、日本一へのチャンスは残されているからだ。

 課題のひとつに、「7回をどう抑えるか」がある。今季のイニング別の失点でも最も失点が多いのが7回であり、計61失点。これはリーグ内で最も悪く、最も7回の失点数が少ないオリックス(26失点)の2倍以上の失点数だ。8回はリーグトップの38ホールドのペルドモ、最終回は同じくリーグトップの34セーブの益田直也が担うが、この2人にどうつなぐのかが、CS舞台でもポイントになる。

 7月末に「優勝するために」と来日したブロッソーが結果を出せずに登録抹消となった今、新外国人の力に頼るのではなく、「自分たちがやる」しかない。まずはCS出場を確定させ、その舞台で爆発するために万全の準備をして、万全の体制を整えたい。この9月、そして10月と、“吉井マジック”の見せどころは、まだある。

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著者プロフィール

1979年1月1日生まれ。大阪府出身。学生時代からサッカー&近鉄ファン一筋。大学卒業後、スポーツ紙記者として、サッカー、野球を中心に、ラグビー、マラソンなど様々な競技を取材。その後、野球専門誌所属を経て、現在はフリーランスとして幅広く取材、執筆活動を続けている。

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