仙台育英の最強投手陣、花巻東の怪物スラッガー佐々木麟太郎…東北6県の甲子園出場校が誇る「武器」とは?
全国的には初出場校や久しぶりの出場が目立つが、東北勢は2年連続が3校、2年ぶりが2校、最長でも花巻東(岩手)の4年ぶりで、10回以上の出場回数を誇る常連校ばかり。青森、岩手、秋田、山形、宮城、福島の各地方大会を勝ち抜いた6校は、それぞれどんな特徴を持ち、どれだけの可能性を秘めているのか。
八戸学院光星(青森) 2年連続12回目
青森大会におけるチーム打率は.353。砂子田陽士(2年)がチームトップの打率.529で、二塁打を6本放つなど攻撃的なリードオフマンだ。2本塁打の藤原は11打点を挙げており、昨夏もレギュラーだった中澤恒主将も2本のアーチを描いている。
投手は岡本琉奨、洗平比呂の両2年生左腕が軸。背番号1をつけた岡本は最速148キロ、昨夏の甲子園でマウンドに上がっている洗平は最速147キロとスピードがあり、ともに変化球の精度も高い。
甲子園帰りの昨秋は県大会初戦(2回戦)で弘前東に敗れ、公式戦未勝利でオフシーズンに突入した。春は県準優勝だったが、東北大会決勝で仙台育英を破り、17年ぶりに優勝。長い冬を経て地力を上げており、甲子園でも勝ち上がる力を持っている。
花巻東(岩手) 4年ぶり11回目
岩手大会の全5試合で打点を挙げた北條は、背番号1で最速145キロの本格派右腕。右肘痛から復帰し、中軸を担いながらマウンドにも上がる。2年生右腕・小松龍一は最速147キロの直球に変化球の精度も高く、全国デビューが待ち遠しい。さらに3回戦で先発した正遊撃手の熊谷、右サイドの中屋敷祐介、2年生左腕・葛西陸など投手陣は多彩だ。
「逆襲」をテーマに4年ぶりの甲子園出場を決めた。2年前は決勝に進出するも、当時1年生だった佐々木麟太郎が最後の打者になり、盛岡大付に敗れた。昨年は斎藤響介(現オリックス)を擁する盛岡中央と準決勝で当たり、2-3の敗北。先制を許したり、延長タイブレークまでもつれたり、途中まで拮抗したりと苦しい試合が多かった岩手大会を突破し、2年分の思いを甲子園にぶつける。
ノースアジア大明桜(秋田) 2年ぶり11回目
県大会では初戦(2回戦)こそ無安打だったが、以降、好調だったのが2番・土田亮太(3年)。3回戦で3ラン、決勝では逆転打を放つなど、打率.500で8打点を挙げた。3番・松橋日々生(3年)、4番・吉川新汰(3年)も勝負強い。下位の篠崎拓真(3年)、猪原空駈斗主将(3年)と俊足の1番・吉野鈴之助(3年)の出塁率が高いことが得点につながっている。
4試合に先発したエース右腕・難波佑聖(3年)は、140キロ台の球威ある直球を軸に強気に攻める投球をする。準決勝で1失点完投するなど、3試合に登板した2年生の加藤悠羽は140キロ台の直球とスライダーでゲームメイク。登板は2試合だったものの秋田大会で好調だった松橋裕次郎(2年)、制球力の高い川口龍馬(3年)が控える。