“小さくて弱い”の前提条件は「ただの思い込み」 姫野和樹が信じる日本ラグビーの可能性
【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
ラグビー日本代表〝最強の男〟が初めて明かした〝最高の準備〟のためのシンプルな思考習慣。
選手として、チームのキャプテンとして、これまでのラグビー人生の中で学んできた、考え方や意識作り、自分との向き合い方、「弱さ」の受け入れ方、目標設定術といった姫野流セルフコーチング・メソッドからリーダー論、組織マネジメント論までを余すところなく書き下ろし。ラグビーファンの間ではお馴染みの、姫野さんが7年間にわたって書き溜めているラグビーノート"姫野ノート"の一部も初公開&収録しています。
ラガーマンやアスリートはもちろん、学生や新社会人、ビジネスマンまで、誰もが実践&応用できる「考える力の作り方」が満載の一冊。姫野和樹著『姫野ノート 「弱さ」と闘う53の言葉』から、一部抜粋して公開します。
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日本ラグビーの躍進がもたらしたティア撤廃
1章でも触れたが、ラグビーには世界ランキングとは別に、〝ティア〟とよばれるグループが2023年5月まで存在していた。
ティア1からティア3まであり、最上位グループのティア1に属しているのは、南半球のニュージーランド代表、オーストラリア代表、南アフリカ代表、アルゼンチン代表、北半球のイングランド代表、アイルランド代表、スコットランド代表、ウェールズ代表、フランス代表、イタリア代表の10か国。ほとんどの代表が、ワールドカップで優勝を含むベスト4以上の経験も持つ伝統的強豪国だ。
ティア2はティア1に準ずる〝中堅国〟。
日本代表をはじめサモア代表、フィジー代表、トンガ代表、カナダ代表、ジョージア代表……といった国々13か国が属していた。
ティア3には、〝発展国〟に位置付けられる110か国がグループ分けされていた。
このティアは、国際試合の結果によって変動する世界ランキングとは違い、変動がほぼない。そして、何かで数値化されてもいないし、グループ分けの明確な定義もない。実際に、ティア1に属しているイタリア代表は、日本代表よりも世界ランキングでは下位で直近の対戦成績でも日本が上回っているが、日本とイタリアがティア2とティア1で入れ替わることはない。
それは、このティアが単に強さだけで区別されているのではなく、その国の代表チームが培ってきた伝統や格式を考慮したカテゴライズになっているからだ。
つまりティアは、世界のラグビー界に存在する〝階級〟〝階層〟とも言える。そしてその階級は厳格で、ティア1とティア2には明確な待遇の格差が存在していた。
この階級――長年縛られてきた概念を、2023年5月、日本ラグビーがとうとう壊した。
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