高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」

高校野球「プレーヤーランキング・23年夏」西東京編 ドラフト候補の日當以外にも好投手が揃う

上原伸一

5位:土居賢士郎(2年/創価/投手)

 春はエース番号「1」を背負った期待の2年生右腕。国士舘との3回戦で2失点完投するなど、ベスト8進出に貢献した。

 下半身にためた力を上半身に伝えながら、真っ向から投げ下ろす。ストレートはスピード表示以上に勢いがある。春の準々決勝では優勝校・帝京を5回まで無失点に抑えるも、6回に足がつるアクシデントがあり4失点。悔しい思いも味わった。16年ぶりの甲子園出場には土居の力が欠かせない。夏は真のエースになる。

4位:山本蒼空(3年/早稲田実/内野手)

1年時から公式戦に出場し、今春の都大会では4割を超える打率を残した。名門早実の紛れもないキーマンだ 【YOJI-GEN】

 星稜(石川)で夏の甲子園準優勝投手になり、オリックスをはじめプロでも活躍した山本省吾氏(現ソフトバンク・スカウト)を父に持つ。春は1番を打ち、準々決勝の桜美林戦では3安打2打点をマークするなど打線をけん引。4強進出の原動力になった。敗れた帝京との準決勝でもチームでただ1人、2安打と気を吐いた。

 持ち味は「切り込み隊長」にふさわしい積極性と、長打を打てるパンチ力。8年ぶりの夏の甲子園へ。山本のバットが導く。

3位:吉田啓人(3年/桜美林/投手)

いわば天敵の日大三と当たるとしたら決勝。その舞台までチームを導き、リベンジを果たして甲子園出場を勝ち取れるか 【YOJI-GEN】

 1年秋からエースとなり、昨夏からの3季連続ベスト8に導いた。2年秋から主将も務める吉田は桜美林の心技の柱だ。春の修徳との4回戦では1失点完投し、打っては決勝点となるホームランを放った。

 上背はさほどないが、腕が隠れるフォームで、球の出所が見えにくい。昨夏、昨秋といずれも準々決勝で日大三に敗れた。秋は延長10回を投げ抜くも、1点差負けを喫した。エース左腕が中心となって、頂点まであと3勝のカベを打ち破る。

2位:安田虎汰郎(3年/日大三/投手)

 昨夏は控え投手ながら甲子園のマウンドを踏んだ。秋よりエースになると、ブロック大会からの6試合で全て完投。名将・小倉全由前監督にとって最後の大会で鉄腕ぶりを見せた。

 無念だったのは東海大菅生の日當直喜と投げ合った準決勝。ほぼ互角の内容だったが、8回に勝ち越し点を許して1点差負け。センバツ出場も逃した。この悔しさもバネに、最速142キロのストレートとスライダーをコーナーに投げ切り、2年連続の夏の甲子園出場を果たす。

1位:日當直喜(3年/東海大菅生/投手)

 今夏の東京ナンバー1投手の呼び声が高いドラフト候補。昨秋は7試合46回を投げて防御率0点台と、圧倒的な投球で都大会の優勝投手に。センバツでは沖縄尚学との3回戦で完封勝ちし、その名を全国に知らしめた。

 190センチ・105キロの威風堂々とした体から最速151キロのストレートを繰り出す。落差の大きなフォークは「超高校級」と評される。春の関東一との4回戦では延長10回141球を投げるも負け投手に。悔しい経験も糧に夏は必ず甲子園に戻る。

(企画・編集/YOJI-GEN)

2/2ページ

著者プロフィール

1962年、東京生まれ。外資系スポーツメーカーなどを経て、2001年からフリーランスのライターになる。野球では、アマチュア野球のカテゴリーを幅広く取材。現在はベースボール・マガジン社の『週刊ベースボール』、『大学野球』、『高校野球マガジン』などの専門誌の他、Webメディアでは朝日新聞『4years.』、『NumberWeb』、『ヤフーニュース個人』などに寄稿している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント