J2最下位の大宮、繰り返す監督交代の先に未来はあるか?
3年連続でシーズン途中の監督交代に踏み切った大宮。原崎監督(右)はチームをJ3降格の危機から救えるか(左は原フットボール本部長) 【平野貴也】
監督交代は、カンフル剤としての効果を期待されるが、冷ややかな視線も向けられている。シーズンの折り返しも迎えていない5月の段階での監督交代を、このクラブは3年連続で行っている。21年は16位、昨季は19位と成績は下降。急場しのぎで根本的な解決には至らないとも見られる状況だからだ。
監督交代の繰り返しは、体制の不安定さを印象付ける。今後の戦力調整などを考えても、大きなマイナスだ。24日にクラブハウスで行われた新監督就任会見に同席した原博実フットボール本部長は「(シーズン中の監督交代は)決して良いことではないし、できればしたくないのが当然ですけど(交代の)決断をしたからには(今後は)そうならないようにしていくべき。相馬監督にも4勝7敗になった後、僕なりの意見はかなり言いました。でも改善しなかった。そこからまた3連敗。今回は原崎監督に代えて、どうやって選手に自信を持たせるかをやってもらいたい」と前体制継続の断念に至った経緯を話した。
不明瞭な目標の中、苦渋の決断を下す基準や目的は?
今季最初にJ2残留を目標として打ち出していれば、会見時点での成績(4勝2分11敗)でも、残留ラインの20位との勝点差は1。監督交代の効果に頼らず、昨季途中からの積み上げを続けられる。プレーオフ進出(3~6位)やJ1昇格(2位以上)の可能性が見えたら目標を上方修正する形の方が良かったのではないだろうか。