井端・西尾のドラフト対談(4月編)

次のWBCのショートは誰だ!? 井端が考える「ポスト源田」に一番近い選手とは?

Timely!編集部
 NTT東日本のコーチであり、侍ジャパンU12監督も務める球界屈指のアマチュア野球ウォッチャーでもある井端弘和さん。そしてアマチュア野球を年間300試合以上観戦し、ドラフト中継番組では解説も務める野球ライター・西尾典文さん。この二人が「ドラフト注目選手」をテーマに今年も対談!

 今回の対談テーマは「2026WBC、次のショートは誰だ!」。存在の大きさが際立ったWBCでの源田壮亮選手の活躍。そんな源田選手も次回WBCの時には33歳。「ポスト源田」が気になるところ。そこでお二人に、源田選手の後釜になれる可能性を秘めた選手について、たっぷり語って頂きました。(編集注:収録日は4月10日)

明治大のショート、宗山は来年ドラ1間違いなし!

井端さん西尾さんが攻守を揃って絶賛する明治大・宗山塁選手 【写真:共同通信社】

西尾 今年のドラフト候補のお話だけではなく、井端さんにショートのお話も伺いたいと思います。WBCでは源田(壮亮/西武)選手がすごく頑張っていましたけど、「次のWBCでは誰がショートを守るんだ?」みたいな話しもあるかと思います。若手選手で井端さんが注目しているショートはいますか?

井端 まず西武のルーキー児玉(亮涼)選手ですね。社会人時代も見ていましたけど、申し訳ないですけど「こんなに上手かったんだ!?」と思ってしまいました。

西尾 なるほどなるほど!

井端 源田選手とも少し一緒に(練習を)やったと思うのですが、そういった(一流の)選手の動きを見て上手くなったというか。柔らかさを出そうとするんですけど、なかなか社会人野球って大会によってはガッチリ(と大事に捕球に)いかないといけない部分があるんですよね。

西尾 トーナメント戦なので丁寧にいかないといけないのはありますね。

井端 そういう部分が(プロに入って)なくなったのが非常に良いですね。(グラブ捌きに)柔らかさがあるのが良いですよね。そういった選手を見極めていかないといけないと思いますね。

西尾 そうですね。

井端 高校野球もそうじゃないですか? 「絶対エラーできない!」という状況でずっと守っていますから、そこに「柔らかさを出せ」と言っても、なかなか出せないですよね。高校生を見に行ってもやっぱりみんなガツガツしていますから、甲子園で柔らかさを出せというのは無理なんだろなと思って見ていますけどね。

西尾 源田選手も社会人の時から上手かったですけど、あそこまでとは思わなかったですね。プロに入ってさらに良くなりましたよね。

井端 それが(プロの世界で)140試合やるのと、(アマチュアで)一発勝負で負けられない試合をするというところの守備の違いですよね。源田選手のように力を抜いた方が捕れるというところを高校生にもわかってほしいなと思っていますけどね。

西尾 今大学3年ですけど、明治大の宗山(塁)選手がバリバリに活躍していて、来年のドラフトの目玉じゃないかと言われていますね。

井端 広陵高校出身の選手は上手いですね。センバツにも出た小林(隼翔)選手もそうですし。実際、練習と試合、シートノックは違うと思って見ていますけど、あのシートノックの時の感じで小林選手も試合でできればいいなと思いますね。

西尾 宗山選手は去年の神宮大会の初戦だったと思いますけど、難しい打球を3つくらい、全部軽く捌いて、リーグ戦ではなくてトーナメントでそれができていたんですよね。(その守備を見て)スタンドがざわざわしていて、守備でざわつくというのはあまりないので、やっぱりすごいなと思いました。

井端 肩も強くなりましたね。体もしっかりしてきたのもありますし、やっぱり数を受けてきている動きをしますよね。ショートですから、打つだけではなく守備も結構練習をしてきたなというか、練習をやっているなという印象を受けます。

西尾 守備に柔らかさもありますよね。

井端 数を受けないとなかなか柔らかさって出てこないんですよ。人工芝の球場だから柔らかさを出せるというものでもなくて、普段から柔らかさを出していないと試合でも出ないですから。

 もう来年の1位は確実ですよね。

西尾 もうこの時期から(笑)。

井端 そうですね、はい。

西尾 鳥谷(敬/元阪神)さん以来の東京六大学のショートのスター選手という感じがしますよね。

井端 僕がやっていたときの青学大の井口(資仁/元ロッテ)さんとか、そんな感じの選手ですよね。あとは球団によってショートが欲しいのか、ピッチャーが欲しいのかに分かれるだけだと思いますね。

西尾 バッティングもいいですもんね。長打力もあるし。

井端 高校から直でもプロに入れましたよね。

西尾 おそらくそうだったと思います。

井端 プロに入ってもすぐに打つと思いますよ。

昨年より守備面で自信が窺える長岡

打つ方では苦しんでいるが守備面で成長が見える長岡秀樹選手(ヤクルト) 【写真:共同通信社】

西尾 去年はヤクルトの長岡(秀樹)選手も出てきました。高校から入って直ぐに活躍しましたけど、長岡選手は身体が強いのかなと思いますね。

井端 そうですね。昨年に比べて今年は体も大きくなってきましたよね。オープン戦は調子が良かったですけど、シーズンに入ってからちょっと打つ方がね。

西尾 今の段階ではちょっと苦しんでいますね。

井端 今年は出遅れましたけど、去年1年やったことが自信になっていると思いますので、(ある程度の成績は)残してくるかなと思いますし、守備面でも昨年よりも自信を持って守っていることが窺えますね。いずれは球界を代表する選手になると思いますね。

西尾 中日もそうですし、阪神も中野(拓夢)選手と小幡(竜平)選手をショートとセカンドが入れ替わったりしていますね。

井端 DeNAも林(琢真)選手が(本職のセカンドではなく)ショートを守っていますし、(二遊間の)若返りを図っていますよね。

西尾 そうですね。

井端 いずれ巨人もそうなってくると思うので、その中からセ・リーグを代表する選手が出てきたときには、侍ジャパンにも顔を出すのかなと思いますね。

西尾 今回のWBCは源田選手の存在感がすごいなと思いましたけど、源田選手もベテランくらいの年齢になってきますから、その次の世代の選手が出てこないと、というところですよね。

井端 次の世代のショートのなかで、一番最初に出てきたのが紅林(弘太郎/オリックス)だと思うんですよね。

西尾 はいはい、そうですね。

井端 そこがね、ちょっと二軍にいたりしてね。野口(智哉)選手が出ていますけど、バッティングが良いですよね。スタートは良くなかったですけど、僕はあのバッティングは買っています。

西尾 振れるというところは強いですよね。大学の時も、野口選手のすごいフルスイングの空振りをよく見ましたけど、振る力はすごいですよね。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント