人気アマが試打!最新「パラダイム」「パラダイム X」「パラダイム MAX FAST」FWを打ち比べ

スポナビGolf

【スポナビGolf】

パラダイム シリーズのドライバーを試打したときは、飛んで曲がらないという印象が強く、素直に「これはいいクラブ!」と好印象でした。今回のフェアウェイウッドでも期待できそうですね。その分期待値が高くなりますが果たしてどんな仕上がりなのか、実際にオレンジマンが打ってきたので、データと共に深堀りしていきましょう!

パラダイムには4種類のヘッドが用意されている

・パラダイム
シリーズの中でスタンダードモデル

・パラダイム X
捕まった高弾道のドローバイアス

・パラダイム MAX FAST
軽量で振り抜けるドローバイアス

・パラダイム トリプルダイヤモンド(セレクトストア限定)
低重心で上級者好みの仕上がり

今回はパラダイム・パラダイム X・パラダイム MAX FASTについて見ていこうと思います。

【スポナビGolf】

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3種類とも統一感のあるデザインです。ただ、よく見るとパラダイム(スタンダード)のみソール全体がカーボンになっているのが分かります。X、MAX FASTではドローバイアスを優先するためにソールにステンレスが採用されているようです。モデルでこれだけ変えるんだ、と少し驚きましたね。

構えてみると、どれもよく似ていますが、MAX FAST→ X →スタンダードの順で、投影面積がシャープになっていく印象です。
意外にもフェースアングルはどれもストレートに近い感じでした。一番優しいMAX FASTはもっと左を向いていると予想していましたが、割とストレートなので構えやすく感じますね。

また、どのモデルも共通しているのが、フェースの厚みが結構シャローフェース(薄い)だったこと。これは好みが分かれそうですね。同じく新作の、テーラーメイドの「ステルス2 FW」はディープフェースで球が上がりそうと感じる人もいると思いますが、パラダイムシリーズではシャローフェースなので、球を拾いやすそうなイメージが持てると思います。

また、ライ角にも違いがあり、パラダイムが56.5度なのに対して、X、MAX FASTは58.5度となっており、捕まりをよくする工夫が感じられますね。実際に構えた時にX、MAX FASTはアップライトに感じるので左に捕まるイメージは湧きやすいと思います。それでいて、シャローフェースなのでトゥが浮きやすく打点が小さく(少なく)感じてしまうのはデメリットかもしれません。

個人的にシャローフェースは、球が上がりそうなイメージは湧きますが、それ以上にスピン量が増えて吹き上がっていくイメージが出るのであまり好みではありません……。果たしてどんな結果になるのでしょうか?さっそくデータを見ていきましょう!

実際に打ってみた!

今回のクラブスペック
・パラダイム 18度(#5)
・パラダイム X 18度(#5)
・パラダイム MAX FAST 19度(#5)

※パラダイム、パラダイムXのシャフトは「VENTUS TR 5 for Callaway S」
※パラダイム MAX FASTのシャフトは「SPEEDER NX 40 for Callaway R」

ヘッドスピードは42m/s前後になるように調整して打ちました。

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パラダイム

ヘッドスピードは41.6m/sで初速が60.8m/sと高初速。スピン量は2833rpm少なめです。打ち出し角度は18度と適正。飛距離は236.0yで、抜群の飛距離性能です。

これは飛ぶ!そして球が強い!3機種のデータの中でも一番ヘッドスピードが出ていないショットなのですが、飛距離は10y以上の違いです。全てのバランスがよく、特に初速とスピン量の関係性が絶妙だと思います。

それでいて捕まり過ぎることもなく、ドローヒッターの僕が軽くドロー回転がかかる程度のストレートに近いショットが連発でした。

また、シリーズ全てに言えることですが、多少の打点ブレにはとても強いのが特徴です。大きなネガティブポイントは特にありませんし、方向性と飛距離が両立された優秀な1本だと思います。

強いて言えばスピン量は、ロースピン傾向なので、ある程度平均的なヘッドスピード以上あったほうがヘッドの特性を活かせると思いますね。あまり球が上がらない人や、スライサーには向かないと思います。

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パラダイム X

ヘッドスピードは42.3m/sで初速が58.7m/sとまずまず。スピン量は3004rpmとやや少なめです。打ち出し角度は17度と適正。飛距離は223.1yで、こちらもまずまずといったところ。

MAX FAST同様にライ角は58.5度とノーマルより2度立っていて捕まりを重視。実際に打ってみても、しっかり捕まるので打っていて安心感はあります。球が拾いやすく、少々トップめのあたりでもそれなりに球が上がってくれるので、これはシャローフェースによる低重心化が大きく影響していると思います。

欲を言えばもう少し飛距離が出てくれるといいなと思いますが、それ以上に安定感が抜群で、センター以外のミスヒットでも数値がそれほど落ちないのが飛距離に変わる性能だと思います。

ただ、明らかなミスショットはちゃんとミスショットになるので、「ちょっとトゥ側に当たったなと分かる当たりが、意外とチーピンのように曲がらず、初速も落ちずに左ラフに残ってる!」みたいな印象を受けました。

MAX FASTとの違いはクラブ重量とスピン量で、ワッグルするだけでもMAX FASTが軽くてXの方が明らかに総重量が重く感じます。クラブバランスもXの方が大きいので、個人的にはヘッドを感じやすく打ちやすかったですね。

ただ、スピン量は明らかに減りますし、あくまでもそれなりのヘッドスピードが必要なクラブだと思います。パラダイム Xが難しい感じる人はMAX FASTが合うのではないでしょうか。
弾道自体は似ているので、むしろこの2点(総重量、スピン量)をメインで選択の基準にするといいと思います。

打感、打音は柔らかいというよりは、弾き感を強く感じ、バチっと心地いい打音でした。

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パラダイム MAX FAST

ヘッドスピードは41.8m/sで初速が60.8m/sと高初速。スピン量は4027rpmとやや多めです。打ち出し角度は19度と高めでした。飛距離は220.9yで、少しもの足りなさを感じます。

第一印象は、球がよく上がることです。やはりスピン量が多いのが理由ですが、その分飛距離を伸ばすのは難しく感じました。飛距離重視というより、簡単に打てて、球も上がりやすく捕まりのいいクラブです。今まで、フェアウェイウッドが苦手で球が上がりにくかった人は球の上がりやすさからキャリーが伸びて、結果的に飛距離アップにつながることは十分にあると思いますね。

捕まりはいいヘッドですが、めちゃくちゃ捕まりすぎて左しかいかないということがなかったのが印象的でした。ただただ捕まるだけのヘッドでは、いつまでも左への恐怖心がなくせないので、このあたりはよくできているなと感じますね。

打感や打音はXと大差はありません。

注意点

個人的にとても残念だったのが、パラダイム、パラダイムXのアジャスタブルホーゼル(カチャカチャ機能)が3番にしか設定がなく、5番以降は接着型のホーゼルが使用されています。(MAX FASTは全て接着型)

ロフトを調整したり、ライ角を調整したりができないのはデメリットに感じます。個人的には、打った感覚とは別で、構えた時の見た目がもう少しフラットに見えるのが好みなので、そういった細かい調整ができて欲しかったなと思うのが正直な感想です。

とはいえ、前作ローグSTはそもそもアジャスタブルホーゼルはありませんでしたから、今回装着されたのは進化とも言えます。今後に期待したいところですね。

まとめ

ドライバーの出来がとても良かったパラダイム シリーズなので、FWの期待値も高く楽しみにしていましたが、しっかり期待通りの出来で多くのアマチュアゴルファーの武器になると思います。ヘッドタイプも豊富で、自分がこうしたいと思う希望を叶えてくれるラインナップ。どれか自分にハマる1本が見つかるでしょうね。

特に個人的にいいなと思ったのはパラダイム(スタンダード)です。各メーカーでも、ヘッドタイプは豊富でもスタンダードモデルは、やや難しめなのが最近の傾向だと思います。そんな中で、パラダイムは捕まりからみても、球の拾いやすさからみても、難しさはさほど感じず、打ちやすい、飛ぶ、曲がらないといった、シンプルにいいクラブでした。

もう少し捕まえければXを、さらにやさしく打ちたければMAX FASTを選択すればよいでしょう。一度手に取ってもらいたいクラブです。

【スポナビGolf】

※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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