堂安が「絶対にヒーローになる」とだけ考えていたドイツ戦 同点弾は自らで引き寄せた強運
【Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images】
今、夢を追いかけているすべての人たちへ。
逆境を楽しみ、自分を信じ抜く──。
夢に向かって突き進む、唯一無二の“堂安語録”。
カタールW杯でドイツ・スペイン相手に劇的弾を叩き込み、日本代表の快進撃を牽引した堂安律。たとえ批判を浴びようとも、大きな壁にひるむことなく、逆境を楽しみ、常に自分を信じ続けることができるのはなぜか──。
挫折や葛藤を乗り越えて揺るぎない自信を身に付け、W杯という夢舞台で圧倒的な輝きを放つまでの軌跡を克明に記した、待望の初書籍。その一部を抜粋して公開します。
ヒーローになることしか考えていなかったドイツ戦。スタメンがすべてじゃない。俺がラッキーボーイとして流れを変えるんだ
選手としては、ベンチスタートは本望じゃない。サッカー選手なら、誰だって先発で出たい。でも、PSVでの経験があったし、大きな大会であればあるほど、ベンチから途中出場する選手の役割がとてつもなく大きいことは経験上わかっていた。「耐えてしのいでラスト20分、30分でギアを入れ、勝ち点1から勝ち点3に持っていく」という戦い方をするのなら、途中出場の選手こそ、カギを握っているじゃないか。
「ラスト30分でヒーローになれるチャンスがある。スタメンがすべてじゃない。俺が流れを変えるんだ」というマインドでひとつの準備も怠らず、結果を出し切ることだけに集中して、俺はドイツ戦を迎えた。
試合が始まってからも、ヒーローになることだけを考えて、ベンチで立っていた。スタメンでないことは前日からわかっていたし、自分がW杯のピッチに立ったときに最高のパフォーマンスを発揮することだけを、メンバーに選ばれてからの23日間ずっと考え続けてきた。「とにかくチームのために」という気持ちで無我夢中だった。ベンチでは誰よりも声を出していた。
一方でものすごく冷静だった。ベンチにいながら、ドイツの穴を探していた。ブンデスでプレーしている経験が大きかったのかもしれない。相手の特徴が手に取るようにわかった。10分でもピッチに立てれば、試合を決められる――。そう思っていた。
森保さんとはトレーニング中からずっとコミュニケーションを取っていて、「律はスタメンでもおかしくないパフォーマンスをしてくれている」と直接言ってもらっていた。だからこそ、必ずチャンスは来ると確信していた。後半スタートからの投入ではなかったけど、残り時間が少なくなってきたら、森保さんは間違いなく、俺に「行くぞ」と言ってくれる、という信頼関係があった。森保さんから直接、「準備しとけよ」と言われたわけじゃないけど、いつもより早めにウォーミングアップをスタートさせた。
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