前回以来のセンバツVを目指す東邦の直前レポート カギはエース宮國ら投手陣のデキか
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チームは投打に特徴十分
チームの屋台骨を支える宮國。ストレートの最速は149キロだ 【尾関雄一朗】
今年のチームも高水準で投打のバランスがとれ、見どころは多い。エース・宮國凌空ら好投手を複数擁し、打者陣もタレント豊富だ。主将で四番の石川瑛貴(3年)は、プロ入りした昂弥(中日)を兄にもち、背格好がそっくり。先頭打者の中村騎士(3年)は打撃の対応力が高く、前田悠伍(大阪桐蔭)や東松快征(享栄)といった全国屈指の投手から公式戦で本塁打を放った。強肩好打の上田耕晟(3年)は、プロでコーチを務める佳範氏(中日)を父にもつ。眞邉麗生(3年)は確実性が高く勝負強い。
調子の上がり切らないエース宮國が粘れるか
練習試合での登板を終え、宮國は固い表情でベンチに戻る 【尾関雄一朗】
ただ宮國については、もう一つ状態が上がっていないようにみえる。一部スポーツ紙でも報じられたが、この日は本来のデキではなかった。高田(三重)打線に対し、初回こそ3者三振に切ってとったが、2回裏には下位打線に4連打を浴びるなど5回10被安打4失点。調整段階とはいえ、本番を約1週間後に控える中で物足りなさは残った。
試合後に本人に話を聞いても、トーンは上がらない。「センバツまで限られた時間しかなく、ここから大きく良くなることはないと思います。どうゲームをつくっていくかを考えたい。リズムよくゴロを打たせてアウトにとるなど、チームを勝たせられるようにしたいです」と話すにとどめた。
しかし宮國には、持ちこたえる術と経験がある。昨年秋も右肩痛の影響で本調子には程遠く、球速は140キロ台を割りながら、耐え切って東海王座になった。東海大会決勝後には「大会に入る前から『球速を意識せず、勝ちにこだわるピッチングをしよう』と決めていました。変化球を軸に、試合では相手打者の反応を見ながら投げられました」と明かした。
宮國はこのセンバツでどんなマウンドさばきを見せるか。伝統校の大黒柱として、今できうる限りを表現するつもりだ。