松木玖生ら擁するU-20代表がW杯出場に王手 不安を抱えたチームがGSを首位突破できた理由
意見交換できる関係性がチームのプラスに
中国戦は苦戦を強いられたものの、主将の松木が1列前に入ってチャンスメイク。修正力の高さを示した 【Photo by Zhizhao Wu/VCG via Getty Images】
サウジアラビア戦では後半10分過ぎに4-2-3-1から3-4-2-1に変更したものの、重心が後ろにいった影響で相手に押し込まれる時間帯が続いた。そこでMF山根陸や松木、FW北野颯太がピッチ内で相談。「意外とぼこぼこ蹴ってくるわけではなく、つないでサイドから入れてくる形だった。それだったら、4-4-2でボールにアタックできるようにしたほうがいい」(北野)という意見になり、最もベンチに近い場所にいた北野が指揮官に意思を示した。冨樫監督は終盤の戦い方も含めて総合的に判断し、現状のまま戦ったが、状況に応じて戦い方を議論できるようになった点は成長の跡だろう。「一次予選の時はあんまりなかった。そういう考えがあった選手も少なかったと思うし、考えが持った上でちゃんと伝える。それは徐々に増えてきている」。北野の言葉からも変化が感じ取れた。
不用意なミスでピンチを招く場面もあり、戦術的に未熟な部分は多々ある。だが、1年足らずの間に多くの経験を積み、チームとしても個人としても前進を続けてきた。その成果が修正力に繋がり、3連勝に結び付いたと言える。12日のヨルダン戦は勝利すればW杯出場が決まる大一番を前に、大きな手応えを得たのは間違いない。