A東京の安藤周人が月間MVPを初受賞…高い得点力で好調のチームをけん引

大島和人

新指揮官からの助言を受けて活躍

1月の活躍が認められて日本代表にも選出された 【提供:アルバルク東京】

――チームについてお聞きします。デイニアス・アドマイティスヘッドコーチになって、変わったのはどのような部分ですか?

 選手の意見をよく聞いてくれます。例えば「このプレーが止められたから、ちょっとこうしたい」と言えば、一度チャレンジさせてみるのがアドマイティスHCの考え方だと感じます。「言いたいことがあったら積極的に」みたいなことも、よく言ってくれます。

 最初に来た時に言ってくれたのが「僕らは家族だ」というメッセージです。「バスケだけでなく、何もない時でも、みんなはお互いのことを考えないといけない」という言葉が印象的でした、

 僕が1月にアシスト、3ポイントでキャリアハイを記録した時も、試合後のミーティングで「周人がキャリアハイを達成したぞ」と言って、一緒になって喜んでくれた。選手一人ひとりを、自分の息子のように扱ってくれています。

――各選手のキャリアハイをチェックしているんですね。

 チェックしてくれているのか、コーチたちに聞いているのかわからないですけど、でも勝てば一番喜んでくれます。負けると、負け方にもよってはすごく怒りますけど。でも、本当に面白いコーチです。

――安藤選手が個人として、アドマイティスHCに言われて、印象的だったことはありますか?

 10月の宇都宮(ブレックス)戦の時ですね。2日目にギリギリで勝った試合(10月22日/60-57で勝利)があって、その時の3ポイントシュートは「10分の3」でめちゃめちゃ確率が悪かったんですけど、最後に2本決めて逆転したんです。試合後に「打ち続けてくれてありがとう」と言ってくれました。どれだけミスをしても「打ってくれたから入った」、「君は打ち続けないとダメ」と言ってくれます。11月(30日)の秋田(ノーザンハピネッツ)戦は3ポイントシュートが「9分の1」と全く入らなかったんですけど、次の練習が始まる前に呼ばれて、やっぱり「気にすることない」と言ってくれました。ミスをしてもいいから、「どんどん打ち続けなさい」としょっちゅう言われますね。

――きっと、それが1月の活躍につながっていますね。

 そのとおりだと思います。自分自身も気が楽になりますし、打たなかったら逆に「なぜ打たない?」と怒られます。「空いたらどんどん打ってほしい」と、シーズン前に言われましたし、シーズン中も言われますね。

――今シーズンからホームアリーナがアリーナ立川立飛から国立代々木競技場 第一体育館になって、お客さんも大幅に増えていますけれど、違いを感じることはありますか?

 立川は立川で、お客さんとの距離が近くてすごく良かったです。代々木はお客さんがかなり増えたのもありますけど、「ホームだ」と強く感じさせてくれる体育館ですね。一つひとつのクラップだったり、シュートが入った時の喜び方だったり。自分自身のモチベーションを上げてくれる体育館です。

――最後に、A東京のファンにメッセージをお願いします。

 いつもたくさんの応援をいただいて、感謝しています。チーム状況が最悪な時でも、本当にいつも変わらない……。何ならより一層の声援をいただけますし、僕ら以上に「勝ちたい」、「勝たせたい」という思いが強いファンだと思います。1月に8勝できたのは皆さんの声援のおかげだと思うし、皆さんのために勝ててうれしいです。まずはチャンピオンシップを目指して、戦い切ろうと思います。これから僕たちと一緒に、もっともっと戦ってもらえたらと願っています。

(構成/バスケットボールキング編集部)

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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