鳥谷敬が2023年のパ・リーグを○×予想 日ハム・清宮の30本超えの可能性はアウトの内容に注目
楽天:田中将大が復活! 2ケタ勝利を挙げる
――日本球界復帰3年目の田中将大投手。2021年は9勝を挙げました。今季、二桁勝利はありますか?
少し難しいかなと思います。1年間ローテーションを回るだけの体力を持っていて、その部分では心配はないのですが、ストレートとスプリットの質が落ちているのが気にはなります。ストレートは、打者の反応から推測すると、怖さをあまり感じていないように見えます。ストレートが上がってこないと、武器である変化球も生きてこないと思います。
――武器のひとつがスプリットですね。
打者の見逃し方を見ると、いい低さに決まったスプリットでも見極めています。ストレートとの絡みの問題か、スプリットそのものの問題かはわかりませんが。
――NPBに復帰してからの田中投手はどう見ていますか?
若いときのような投球ができないのは、本人が一番わかっているはずです。その中でボールをうまく散らして、7回3失点前後で試合を作る能力はさすがのものを感じます。
ロッテ:佐々木朗希が2年連続完全試合を達成する
鳥谷氏は佐々木朗希の能力は認めているが、完全試合になるとさすがに打者のプライドが許さないだろうと話す 【写真は共同】
――昨年、史上16人目の完全試合を成し遂げた佐々木朗希投手。2年連続の偉業はありますか?
それだけの能力があるのは間違いありません。もともと持っているポテンシャルに、自分の体力や筋力が少しずつ追い付いてきたように感じます。しかし、打者側の視点に立つと、「さすがに2年連続でさせてはいけないでしょう……」という考えが先にきます。昨年以上に間違いなく対策をしてくるはずです。
――どんな対策が考えられますか?
フォアボールを狙ったり、球数を投げさせたり、チームとしてできることはあります。ヒットを狙うのではなく、ファウルを狙うのもひとつの手。全員が好きなようにスイングしていては、攻略できるピッチャーではないことは明らかです。
――バットを短く持つことも対策のひとつですか?
短く持つとアウトコースに余計に届かなくなるので、あまり意味を感じません。それよりも160キロのストレートに合わせて、タイミングを早めに取ったり、前足を着いた状態で打ちにいったり、タイミングの取り方を変えたほうがプラスになると思います。
日本ハム:清宮幸太郎が30本塁打以上を打つ
――昨年、キャリアハイの18本塁打を放った清宮選手。「兆し」が見えてきた感じがありますが、今季30本以上打ちますか?
20本以上であれば迷うことなく、「〇」にしていましたが、30本となるとまだ壁が高いと思います。
――ホームランを打った映像だけ集めると、30本以上打っていても何ら不思議ではないと感じるのですが。
たしかにそのとおりです。ただ、プロ入り時から変わらない課題が、調子がいいときと悪いときの差が激しいこと。状態が悪いときのアウトの成り方が、どうしても気になります。村上選手のようなスラッガーは、状態が悪いときでも大きなフライでアウトになりますが、清宮選手はゴロになることが多く、ほとんどが詰まったゴロ。体をあおるため、バットが出てこない。アウトはアウトでも、バッテリーに与える恐怖感が違います。
――フライアウトが増えてくれば、ホームランも増えてくる可能性があると。
そう見ています。今季、アウトの成り方に注目してみたいと思います。
企画構成:株式会社スリーライト