12球団の“熱烈”識者が語る!昨シーズンと新シーズン

痛い近藤健介のFA移籍 それでも日本ハム識者はCSからの下剋上に期待!

Timely!編集部

キーマンは前年未登板のガント!?

近藤さんが「ガントが二桁勝てばCSには行ける」と期待を寄せるガント(写真左端) 【写真:共同通信社】

菊地 2023シーズンの話もしていきたいんですけど、本日時点(12月9日)では近藤健介選手の動向がまだ不透明ではあるんですけども(編集部注|12/12にソフトバンクへのFA移籍を発表)、オリックスからFAで伏見寅威選手を獲得したり、江越(大賀)選手と齋藤(友貴哉)投手をトレードで阪神から獲得したり、このオフは動きが活発ですね。

近藤 ファイターズは伝統的にFAで選手はあまり獲らないんですけど、それでも地元千歳市出身の伏見選手に白羽の矢を立てて獲りましたし、(トレードも含めて)積極性がありますね。
 空気が変われば選手は変わる、吸う空気が変わればパフォーマンスも変わる、ロッカールームの声が変われば選手のパフォーマンスも変わるとか、いろいろとスポーツ界では言われるんですけど、そういう化学反応みたいなものを江越選手や齊藤投手にはもちろん期待しています。でもやっぱり他の選手たちですよ。(移籍してくる)選手たちにたよるのはリスキーですし、やっぱり去年まで積み上げてきた選手達がまず活躍するというのが大前提だと僕は思いますね。

菊地 やはり先ほどから名前が挙がっていた清宮選手ですとか、野村佑希選手とかが大爆発したら言うことないわけですからね。

近藤 そうなんですよ。野村、清宮、もちろん万波(中正)もね、打率の面では課題も持っていますけど、やっぱりロマンがあるんですよね、この3人は。だからこの3人が順調に成長すれば絶対に面白いラインナップになるのは間違いないです。
 その成長を促すためにも近藤選手の存在は必要なんです。だから近藤選手がいなくなってしまうと色んな意味で狂ってしまうんですよね(編集部注|12/12にソフトバンクへのFA移籍を発表)。

菊地 ドラフトでも矢沢宏太選手ですとか加藤豪将選手とか、非常にわくわくするような選手も加入してきますね。

近藤 加藤豪将選手に関しても、日本とメジャーってやっぱり違うんですよね。メジャーって守備に関してはそこまで細かい練習とか、コーチもうるさく言わないと聞いていますし。でも日本は逆にキャンプからゴロの捕り方一つでも型をしっかり作るというところからやりますよね。それが堅守につながっているところもあると思うんですけど、加藤選手はそんな日本の野球に順応するという部分が大切になってくるでしょうし、本人も自らを「外国人」と言っているわけですからね、日本に住んだことがないですからね。
 でもメジャーでやっていたという自負がありますからね、どこまでやってくれるか未知数なんですけど、相当期待は高いですよね。

 あとは二刀流の矢沢選手ですよね。これまで大谷翔平選手を見てきていますから、サイズ的にちょっと不安はあるんですけどね。「いきなり二刀流でいけるほどプロ野球は甘くない」というのは大谷選手も踏んできた道ですけど、そう簡単に行ける道ではないんですけど、とにかく(投打の)どちらかから、それをまずは期待したいですね。

菊地 そんな2023シーズンのキーマンを挙げるとすると誰になりますか?

近藤 キーマンは、あえて言いますけどガントです。

菊地 おぉー! 意外な角度から。

近藤 2022年もガントが二桁勝てばCSには行けるかなという期待はあったんですよ。でも怪我があったんですよね。ファイターズとしては高い年俸を払いながらも、1年間を手術とリハビリだけで過ごしたわけですよね。1年契約でしたから、紳士協定を破ればメジャーに戻ることもできたと思うんですけど、あえてファイターズと契約更新したじゃないですか? その気持ちを買いたいですよね。

菊地 なるほどなるほど。

近藤 「去年は申し訳なかった。今年はなんとかするから」という気持ちの表れだと思うんで。だからガントが多分二桁勝つでしょ? そこに上沢(直之)、伊藤、加藤がいて、あともう一枚ですよね。そうしたら十分戦えるローテーションになるんですよね。だからガントが二桁勝利できるかに注目です。

菊地 若手選手ではどうでしょう? 注目してほしい若手選手は誰になりますか?

近藤 上川畑、北山の2年目選手ですね。僕もいろんなスポーツを伝えていますけど「2年目のジンクス」という言葉は英語でも「Sophomore Jinx」ってちゃんとあるくらいなんですよ。要するに活躍して給料が上がって、オフの過ごし方がこれまでと違って、ぼーっとしている間にシーズンが始まってダメになるみたいな、それが一番よくあるパターンなんですけど。そうならないように自分のマインドセットというか、ビジョンを徹底的に持っていないとオフもちゃんと過ごせないですしね。
 だから、北山、上川畑がそういったビジョンを持ってしっかりオフを過ごして、相手のマークも厳しくなる2年目に数字を上げられるか? 今、もう勝負に入っている時期だと思いますし、この2人はもう計算に入っていますから、この2人がそこで苦しんでしまうともう計算が合わなくなってしまいますから、若手のキーマンは去年活躍したこの2人ですよね。

目指すはCSからの下剋上! 加藤には二桁勝利を期待!

BIGBOSSが既に開幕投手を公言している加藤貴之 【写真:共同通信社】

菊地 2023シーズンの日本ハムは何位くらいに行けると予想しますか?

近藤 3位ですかねぇ(笑)

菊地 (笑)

近藤 3位なんですけどCSからの下剋上みたいなイメージです。「wire to wire」というか、飛び抜けた戦力がないとレギュラーシーズンも1位、そこから完全優勝というのはないと思うんです。そこまで(の力)はファイターズも残念ながらまだない。ただ十分戦える目処は立っているんですよね。しっかり戦ったら勝率5割は超えるくらいの。だから5割以上で3位になって、CSでしっかりと下剋上するという感じですかね。

菊地 ちなみにファイターズより上の2チームはどこが来る想定ですか?

近藤 楽天と……いや楽天じゃないんだよな。やっぱりホークスとバファローズなんですよね。バファローズも補強をしているし、やっぱり森(友哉)が加わったのが大きいですよね。ピッチャーは相変わらず良いですし。ホークスも黙ってはいないと思うんですよね。楽天も同様なんですけど、楽天は.....そこまで怖いとは思っていないんですよね(小声)。

菊地 (笑)

近藤 やっぱり怖いのはホークスとバファローズですよ。

菊地 でも短期決戦なら勢いでガッと行っちゃえば分からないですよね。

近藤 ファイターズは若いチームですから、若いチームは勢いがあるから一気に行けると思うんですよ。でも止まるとシュンとなるのも若手だと思うので、そこでベテラン選手にチームを鼓舞してもらったりしてね。
 本当に勢いに乗って行きたいところなんですよね。だから若手の押し上げに注目していきたいですし、とにかく3位以上ですね。

菊地 そのためにも、近藤健介選手の残留を願いつつ……

近藤 本当にそうですよね。近藤健介がいなくなったら……僕も近藤健介がいるという前提ですからね、この3位予想は(笑)

菊地 (笑)

(編集部注|12/12にソフトバンクへのFA移籍を発表)

菊地 最後になりますけども、2023年の開幕投手を勝手に指名してください。

近藤 ファイターズは簡単ですから、加藤貴之ですから。

菊地 おぉ。

近藤 (BIGBOSSが)言っていますからね。

菊地 なるほど。

近藤 加藤はまだ二桁勝利をしたことがないので、新シーズンは二桁勝って欲しいですね。ファイターズ投手陣の中で、一番試合を作ることができることを昨シーズンも実証した投手なんですけど、でも物足りなかったのは勝利数(8勝)ですよね。キャリアハイではありましたけど10勝に届いたことがない。だから援護面も含めて、加藤が勝ちきれるようなチームになって、加藤が二桁勝つ、先ほど話したガントが二桁勝てるというふうになったら、全然状況は変わっているのかなと、僕は期待していますけどね。

菊地 はい。そういうわけで、本日はありがとうございました。

近藤 ありがとうございました!

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