バドミントン桃田、2年ぶり日本一で示した確かな改善点
改善点はレシーブ前のロビング
コート後方へのロビングを使うことで、ネットギリギリこうほうに落とす得意の高精度ショットも効果が大きくなる 【筆者撮影】
桃田は、夏ごろ、復活に向けてレシーブの改善を課題に掲げていたが、試合後のコメントからは、国内調整の2カ月で戦い方そのものを見直したことがうかがえた。
「以前のような柔らかいディフェンスは、もうできなくなってしまったかなという感覚がある。一つ前のショットでヘアピンを(ネット前に)打って相手を前に寄せて、ロビングで打ちづらい体勢を作るとか、高さを打ち分けてタイミングをずらすとか、試行錯誤した」
「ディフェンス面が、自分の中ですごく充実していた。苦しい展開でも、1回高い球を使って、振り出しに戻してからゆっくりラリーするという展開が1個増えたなという実感があったので、相手のフィジカルを削りながら、自分の戦いに持って行けた」
国際大会で再現し、浮上の試金石とできるか
2年ぶりの国内大会優勝を飾った桃田。国際大会でも笑顔が見たい 【筆者撮影】
桃田は「国内の大会で勝てたのはすごく嬉しいけど、また国際大会に出たときにどうなるか、自分の中でまだ明確なイメージができていない」と慎重な姿勢を示した。先を見れば、困難に遭遇する恐怖がちらつく。桃田は、パリ五輪への言及を避けるだけでなく、1月の国際大会参加についても出場の明言を避けるなど、先のことには一切明確な答えを示さなかった。「ちょっと、もう、来年のことは考えられない。今大会は本当に疲れた。何も考えずに年末年始をゆっくり過ごしたい」というコメントこそ本音なのだろう。場内インタビューでファンに「もっともっと強い桃田賢斗を見せていきたい」と話した気持ちを膨らませるために、優勝の喜びを噛み締めて新たな年を迎える。