「花園は青春そのもの!」 スリムクラブ・真栄田賢が語る高校ラグビー
スリムクラブの真栄田賢さん(左)。右は相方の内間政成さん 【写真:吉本興業】
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花園ベスト16の宜野座に3点差の惜敗
12月27日に全国高等学校ラグビーフットボール大会が開幕した 【写真:山田勉/アフロ】
沖縄の首里高校出身ですが、最初は部活動で何をやるか迷っていました。高校1年から身長180センチ、体重100キロ以上あったんです。中学まで柔道や野球をやっていたので、柔道部に誘われたのですが、あんまり楽しくなかった。それで柔道部の道場を出て歩いていたら、ラグビーの先輩が追いかけてきて「君でかいね! いいね!」ってラグビー部に誘われたんです。それがきっかけでした。
――その先輩はもともと知り合いだったんですか?
いや、全然知らなかったですね(笑)。「絶対、君いいよ!」と言われて、いきなりラグビージャージーを着せられて、「カッコいいね! 襟立ててみて!」と言われたりして。中学までは襟を立てて着たことなんかなかったから、かっこよく感じちゃった! そして緑色のタックルバッグを持った先輩に「当たってこいよ!」と言われたので、素人なりに思い切って「バーン!」と当たったんです。今から思えば先輩の芝居だったと思うんですけど、「逸材…!」みたいなこと言われておだてられた。気持ちいいし、うれしくなって、その場で入部を決めました。
――当時、部員は何人くらいいたんですか? どんな練習をしていましたか?
首里高ラグビー部は、同好会として自分の3つ上の学年が作りました。僕が入ったのは4年目のことで、当時の部員は40人ぐらい。監督はいなくて、保健体育の女性の先生に顧問になってもらいました。教える人がいなかったので、『ラグビーマガジン』に「技術をひもとく」というコーナーがあって、分解写真に解説の矢印がついていてわかりやすかった。それで強豪の名護高校に勝つためにアタックラインを工夫したりして、いろいろやっていました。
――ポジションはずっとナンバーエイトだったんですか?
2年まではロックをやって、3年はナンバーエイトになりました。ナンバーエイトをやっていたときは「(他の選手は)俺の支配下だ!」という感じで、バックスにボールを回さなかった。僕は、アタックは好きでしたが、タックルが苦手で、フランカーの二人にタックルに行ってもらっていたので、今でも耳が(つぶれずに)きれいなんです(笑)。そのフランカーの二人はプロレス好きで、タックルがやばかった。だから僕はアタックしかしない、わがままなナンバーエイトでした。バックスの選手は僕にあんまりいい顔してなかったですね。僕は副キャプテンで、キャプテンはスクラムハーフでしたが、ちょっと仲が悪かったですね(苦笑)。
――1年生のときから試合には出られていたのですか?
沖縄県の花園予選には出たと思います。でもルールがまだ覚えきれてなくて、12回ぐらいオフサイドしました(笑)。僕らの高校は進学校なので、3年生は花園予選まで残らない。だから仕上がっている3年生のいる強豪に1年と2年で挑むんです。当時、めっちゃ強かった名護高校に0-148で負けてしまいした。まだトライが4点の時代ですよ!
一つ上のキャプテンが生徒会長もやっていて熱血漢だったんですが、負けた次の日、グラウンドで無言でダッシュを始めて、僕たちも雰囲気を感じて一緒にダッシュしました。ところが、これがなかなか終わらなくて3時間近くやっていました(苦笑)。どうやら「148点取られたから148本やるぜ!」みたいなことだったんですが、実際に数えたら1本多かった(笑)。そんな青春がありましたね。
――2、3年生のときはどうでしたか?
2年のとき、沖縄代表の宜野座高校が花園でベスト16に入ったんです。僕らの3年生にいい選手がいっぱいいて、その宜野座に3点差で負けたことがあります。だから「俺たち花園に行ったら1勝くらいできたんじゃないか」みたいな自負はありましたね。それで下地ができて、僕らが3年になったとき、初めて県でベスト4に入ったのかな。2年前に148点取られた名護に2トライ差まで迫ることができ、自分も初めて新聞の取材を受けて、親が喜んでいました。
高校ラグビーから学んだ「相手を思いやる、意識する精神」
高校生の頃、憧れていた選手は「大阪工大高(現・常翔学園)のロックだった赤塚隆選手」 【写真:アフロスポーツ】
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