元日本代表・野澤武史氏が選ぶ「花園歴代ベスト15」 1990年以降で“目の当たりにした強者たち”

斉藤健仁
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元日本代表・野澤武史氏が選ぶ「花園歴代ベスト15」 【斉藤健仁】

 大阪の“冬の風物詩”である「花園」こと全国高校ラグビー大会が、今季も12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場で行われる。開幕が迫る中、ここでは「花園」に魅せられた解説者、指導者、識者に「私的歴代ベスト15」を選んでもらった。第2回は、現在ユース年代の指導者として高校日本代表のセレクションにも関わっている、元日本代表の野澤武史氏に登場いただく。自身が「花園」を意識し始めた中学校時代(1990年代)から昨季までのスパンで、実際にプレーを見たことのある選手からベスト15を構成してもらった。

FW(8人)

PR 森川由起乙(京都成章・京都/2008、09年度出場)
 FWの第1列は、高校時代は体格的にまだ小さい選手が多くて、突出した選手がなかなかいないのですが、悩みに悩んだ末に今年日本代表にもなった森川選手(東京サンゴリアス)にしました。プロップですが、森川選手はいわゆるバックローみたいに動ける、キャリーができる選手として出てきた選手の一人でしたね。

HO 水間良武(大阪工大高・大阪/1993、95年度出場)
 HOに関していえば、今社会人で活躍している選手は、高校時代はNO8だったケースがほとんどです。なので、イメージがなかなか湧かなかったのですが、私が高校1年のとき第75回(1995年度)で優勝した大阪工大高(現・常翔学園)のキャプテンHO水間選手(花園ライナーズヘッドコーチ)を推したいです。「スタンディングラグビー」を実践して、花園の決勝でも50-10で秋田工業を圧倒しました。

PR 垣永真之介(東福岡・福岡/2007、08、09年度出場)
 東福岡の右PRといえば平野選手(翔/埼玉ワイルドナイツ)と小林選手(賢太/東京サンゴリアス)もいますが、一番先輩で日本代表の垣永選手(東京サンゴリアス)にしました。昔、右PRはセットプレー以外、ハイパントとラックしかやらなくてよかった時代もあり、活躍度としては高くありませんでした。ですが、最近の東福岡の右PRはすごい。ボールキャリーとして動けますし、パスもできる。昔の選手とはレベルが違います。

LO 平塚純司(秋田工業・秋田/1995、96年度出場)
 5番はとにかく平塚選手です。75回大会(1995年度)の準決勝、相模台工業の試合を目当てに見に行ったのですが、人生で見たことないようなサイズ(身長199センチ)の選手が活躍して、秋田工業が勝ちました。大会の注目選手だったPR岩間(保彦)選手が率いる相模台工業に勝つチームはないと思っていたくらいだったので、インパクトがありました。平塚選手がリードしたラインアウト、モールはすごかったですし、あのサイズ感のあるLOは今でもほとんどいないですね。

LO 本橋拓馬(京都成章・京都/2018、19、20年度出場)

【斉藤健仁】

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著者プロフィール

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)、「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「はじめてでもよく分かるラグビー観戦入門」(海竜社)など著書多数。

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