連載:井上尚弥、さらなる高みへ 4団体王座統一戦編

井上vs.バトラー、両者戦力をチャート比較 一方的な予想も…“絶対”はありえない

宮崎正博
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日本人初となる4団体王座統一を目指す井上がWBO王者バトラー戦に臨む 【スポーツナビ】

 圧倒的な有利が予想される井上尚弥(大橋)のこの戦い。ただの通過点ではない。いよいよの“そのとき”でもある。WBA、WBC、IBFが認定する世界バンタム級チャンピオンの井上は12月13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級チャンピオン、ポール・バトラー(イギリス)と対決する。勝てば世界タイトル・メジャー4団体すべてがナンバーワンと認める完全無欠の世界チャンピオンになる。

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どんなに一方的な予想であったとしても“絶対”はありえない

 すべてのゲームの予想に“絶対”という結論はありえない。ボクシングも同じである。トップ選手のあらかたが全戦全勝、それとも勝率9割以上と、力量がくっきりと勝敗に反映される競技であったとしても、長い歴史をたどれば『空前の番狂わせ』と呼ばれた試合はいくつもあった。さらに6月のWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)戦に続き、対戦するのは再び現役の世界チャンピオン。相手の戦力は決して軽視できないはずだ。

 そして、その対戦相手バトラーが8年ぶりに世界王座奪還を果たしたばかりとくれば、ベルトへの執着もなおさらと考えるべきだろう。現代ボクシングの最高傑作と世界から評価される井上に“穴”はなくても“クセ”はあるはずだ。バトラーのタイトルを守る思いがとことんの集中力を導き出し、井上の“クセ”を見つけ出すかもしれない。
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著者プロフィール

山口県出身。少年期から熱烈なボクシングファンとなる。日本エディタースクールに学んだ後、1984年にベースボール・マガジン社入社、待望のボクシング・マガジン編集部に配属される。1996年にフリーに転じ、ボクシングはもとより、バドミントン、ボウリング、アイスホッケー、柔道などで人物中心の連載を持ったほか、野球、サッカー、格闘技、夏冬のオリンピック競技とさまざまスポーツ・ジャンルで取材、執筆。2005年、嘱託としてボクシング・マガジンに復帰。07年、編集長を経て再びフリーになる

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