連載:球団別プロスペクト&現役ドラフト注目選手

セ・リーグ球団別「期待の若手選手」 複数の若手がタイトルを獲得した今季に続けるか?

データスタジアム株式会社

11月6日の侍ジャパン強化試合では日本代表相手に、3回1安打無失点と好投し来季への期待が高まった井上温大 【写真は共同】

 フリーエージェントやトレードを含め、各球団の思惑が交錯しているオフシーズン。来季に向けた補強への関心が高まっている中で、本コラムではそんな彼らとポジションを争うかもしれない期待の若手(プロスペクト)を、過去の一軍出場機会が多くなかった選手を中心に取り上げる。

 前段として各球団の投打の有望株に触れていく前に、2022年の一軍と二軍の成績の傾向を確認しておきたい。

【データ提供:データスタジアム】

※本塁打率…1本塁打が出るまでに要する打席数 【データ提供:データスタジアム】

 まず当然のことではあるが、一軍と二軍はプレーしている選手の力量には差がある。顕著に分かるのが、投手の平均球速や与四球率である。概して一軍でプレーしている選手の方がボールにスピードがあり、四球を出しにくい投球術を備えているようだ。また、ウエスタン・リーグは球場の特性の影響もあって、ホームランが出づらいリーグである。上記を念頭に置き、各球団の若手の成績から来季どれほど期待できるかを想像してほしい。

※内容は2022年11月22日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2022年12月31日時点

東京ヤクルトスワローズ

【データ提供:データスタジアム】

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 ヤクルトではルーキー左腕の山下輝が防御率1点台と安定感を見せ、9月に一軍へ昇格。プロ2戦目で初勝利を挙げ、日本シリーズでも先発を任されるなど、実りのあるシーズンを送った。また、4年目の市川悠太も二軍でアピールを重ね、7月に一軍デビュー。主に救援ながら6試合に登板し、貴重な経験を積んだ。育成では2年目左腕・下慎之介が昨季9点台だった防御率を3点台まで改善。2年連続でセ・リーグ制覇を果たしたヤクルトだが、先発防御率は最下位に終わっただけに、来季はこういった若い人材の躍進が欠かせないだろう。

 一方の野手陣では、二軍でハイアベレージを残した丸山和郁がシーズン中盤から一軍に定着。リーグ優勝を決めるサヨナラ打を放つなど、印象的な活躍を見せた。また、2年目の並木秀尊はイースタン・リーグトップの24盗塁をマークし、自慢の脚力を存分にアピールした。同じく2年目の赤羽由紘は、前年を上回る8本塁打を記録。フレッシュオールスターでサヨナラ弾を放つなど大舞台でも存在感を発揮し、7月には念願の支配下契約を勝ち取った。高卒3年目でブレークを遂げた長岡秀樹に続く、若手野手の台頭に期待が高まる。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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