「小型化」で修正に成功したB1首位決戦 主力欠場のピンチに千葉ジェッツの守備が“化けた”理由
原が「フィジカルな守備」を実践
コンタクトの強さは原修太(左)の武器 【©B.LEAGUE】
原はこう口にする。
「フィジカルにやるというのは、相手が嫌がるくらい体をぶつけることだと思っています」
外国籍選手、ビッグマンとのマッチアップについてはこう述べる。
「“ミスマッチ”って言われると、正直なぜミスマッチと言うのだろう?と思います。スイッチして、フリースローライン付近から1対1をする分には、苦手意識もないです。守れる自信があります」
ゴールの真下に入ったビッグマンがフリーでパスを受けたら、20センチ背が低い原にとってノーチャンスの状況だ。しかし“地上戦”になれば原はパワーと機動力で五分に渡り合える。今季の彼は「ファウルが込んで、前半に2,3回してしまう」という課題に直面しているが、それは強度の証明でもあるだろう。
“得失点差”が示す原の貢献
パトリックHCは原が出場している時間帯の“得失点差”に着目している。
「天皇杯も含めて、原はチームの日本人の中でプラスマイナスが一番良い。平均9点以上のプラスなので、得点を取らなくてもDFとハードワークで貢献している」
つまり原は自らがそこまで多く得点を挙げなくても、守備で相手の得点を抑え、チームの得失点差をプラスにしている。
千葉が見せた可能性とは?
Bリーグは「外国出身選手」「ビッグマン」への依存度が高いリーグだ。にもかかわらず千葉は戦術的な意図からそういった選手のプレータイムを抑える選択をして、結果をつかんだ。あえて小型化に踏み切り、守備における強みを引き立たせることに成功した。能力と戦術が伴えば、サイズ的にはミスマッチな日本人選手でも、外国籍のビッグマンと五分に渡り合える――。20日の広島戦は、そんな可能性を分かりやすく見せた試合だった。