Bリーグ2022-23開幕特集

3地区24チームの頂点に立つのはどこか? いよいよ開幕するB1、優勝争いに絡む6チーム

大島和人

激戦区に変容しつつある西地区

快進撃をみせたバズソー軍団、今シーズンも躍進に期待したい 【(C)B.LEAGUE】

 西地区は島根、広島の台頭もあり東地区と並ぶ激戦区に変容しつつある。昨シーズンの島根は安藤誓哉、金丸晃輔の加入やポール・ヘナレ新HCの手腕により勝率が.467から.727に急上昇。CSもセミファイナルまで進出し、強豪の一角に名乗りを挙げた。

 「バズソー(丸のこの意)」と称される、攻守の両面でエネルギッシュなスタイルが島根の売り。選手が動き回り、攻守の切り替えも早く、プレーが途切れない。

 ペリン・ビュフォード、リード・トラビスはいずれもゴール下へのドライブ、得点力に凄みを持つタイプ。オーストラリア代表のニック・ケイと帰化選手ウイリアムス・ニカは「周りを生かす」ことにも長けたタイプだ。昨シーズンの躍進を支えたインサイド陣はそのまま残っている。

 島根の先頭に立つリーダーがPG安藤誓哉で、昨シーズンの出場時間はチーム最長だった。リーグのMVP投票も藤井まで2票に迫る2位で、ベスト5の初受賞を果たしている。スタイルにフィットしきれなかった金丸は三遠に移籍したが、今季も引き続いて楽しみなチームだ。

EASLにも参戦の琉球、今シーズンは初の栄冠をつかむことはできるか 【(C)B.LEAGUE】

 琉球は5季連続で西地区を制しているチーム。昨シーズンはついにファイナル進出を果たし、B1王者まであと一歩に迫った。

 PG並里成(→群馬)やSFドウェイン・エバンス(→広島)の移籍は戦力的に見れば痛手だが、彼らが去ってもPG岸本隆一、PFアレン・ダーラムとクリエイティブな選手は豊富。コー・フリッピンはPG起用が可能だろうし、今村佳太もB1屈指のSFで岸本とともにエース級の頼もしい存在だ。そしてジャック・クーリーはゴール下の強さ、リバウンドの頼もしさについてはB1最強のインサイド。キャラの濃い、多彩な人材がそろっている。

 昨シーズンは負傷で不在が長かった牧隼利や田代直希もコートに戻ってくる。さらに今季は頼もしい“仕事人タイプ”が加わった。ジョシュ・ダンカンは千葉Jに4シーズン在籍して、数字以上に貢献度が高く、周りを生かせるタイプ。松脇圭志も外国籍選手を相手に堂々とマッチアップできるSGで、守備が強みだ。

 琉球には沖縄アリーナの大観衆という強みもある。復帰2シーズン目の桶谷大HCのもと、CS初制覇を視野に入れている。

 なお琉球は宇都宮とともに、東アジアスーパーリーグ(EASL)にも参戦する。バスケのユーロリーグ、サッカーの「AFCチャンピオンズリーグ」に相当するクラブチームの国際大会だ。日本、韓国、フィリピン、台湾、香港の5カ国(と地域)から8チームが参加し、100万ドル(※1ドル143円換算で1億4300万円)とCSの5000万円より高額な賞金が予定されている。日程の過密さは強まるが、日本勢にとってはB1とともに大切なチャレンジだ。

 今回は昨シーズンの上位だった6チームに絞って紹介したが、他にも“可能性”を感じるチームが複数ある。今季のB1には「CS出場」「優勝」を巡る争いだけでなく、残留を巡るサバイバルもある。全24チームに魅力があり、それぞれ追う価値があるということも改めて強調したい。また無印からチャンピオンをうかがう快進撃を見せたチームについては、シーズン中に改めて取り上げるということでご容赦いただきたい。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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