レシーブ改善に暗中模索の桃田賢斗 復活のきっかけつかめるか
男子シングルスに変化、攻撃スタイルが主流へ
オンライン会見では「覚悟」をテーマに掲げた桃田 【写真提供:テレビ朝日】
「変わりましたね。五輪後は(活躍する選手の多くが)パワー、スピード系。桃田選手は、スピードでフォローができない。桃田選手は、オールラウンドプレーヤーだから、ラリーができないとダメ。後半勝負のスタイル。でも、後半までいかない」
以前の攻撃的スタイルと言えば、高い位置からパワーショットを打ち込んで、甘い返球に対して距離を詰めていくものだったが、現在は、後ろに下がらず、シャトルが低い位置に落ちる前に素早く返球し、相手の準備時間を奪うスタイルで相手を崩してから強打でフィニッシュという形も増えている。前に落とせばスピード勝負、後ろに上げればパワー勝負。展開力で勝負する、桃田のようなレシーブ主体の選手は、主導権を奪いにくくなっている。
「まだ、できると思っている」
「世界バドミントンというピンポイントで変われるかは分からないですけど、少しでも早く、皆さんが期待してくれる結果を出したいと思って、毎日、練習に取り組んでいるつもりです。自分でもまだできると思っているので、その気持ちは折れないように頑張っていきたいと思います」
世界選手権は、第2シード。解決の糸口が見えない不安を抱えているにも関わらず、自国開催で優勝が期待されるプレッシャーを背負わなければならない。苦しい展開になれば、まだ復活は遠いのかという悲観も生まれるだろう。しかし、一本でも多く食らいつき、自信を持てるプレーを取り戻すきっかけをつかむことが何よりも大事だ。これまで東京五輪をはじめ国内での試合は無観客が多く、世界選手権は、桃田にとって2019年12月のS/Jリーグ最終戦以来、約2年8カ月ぶりの国内有観客公式戦となる。暗中模索を続ける日本のエースは、復活を後押しするファンの前で、立ちはだかる扉の鍵をつかみに行く。