平野歩夢を見続けた15年 幼少期からずば抜けていた競技に取り組む姿勢
なぜ自分が滑るのかを考えられる子供だった
【Photo: Kosuke Shinozaki】
親に言われたからやっているのではなく、なぜ自分が滑るのか、子供ながらに自分ごととして考えられているようでした。仮に大会で調子が悪くても、文句は一切言わない。純粋に自分自身が弱いから負けんだと練習を繰り返す。私が彼をサポートしたいと思った一番大きな理由であるこの姿勢は、昔も今も変わりません。
実はX-GAMESに初めて出場した時に、決勝の公開練習で大転倒をしているんです。14歳の柔らかい体じゃなかったら、きっと棄権していたレベルの大きな転倒でした。
「体どうなの? 本当に大丈夫か? 続けられるのか?」って聞くと、絶対に痛いはずなのに即答で「全然、いけます」って。
今も変わりませんが、当時からこういうキツい状況でも弱音を吐くことはまったくない。すごい14歳でしたよ。
こだわりの強さは子供の頃から
歩夢には大きな才能があったことはもちろんですが、それ以上に努力を続けたこと、うまくこの周期にハマったことも成功の大きな要因ではないでしょうか。
ちなみに、アクションスポーツにおいては「上手い、下手」はもちろん「ダサい、ダサくない」も意外と重要な要素なんです。歩夢は子供の頃から髪を長く伸ばしたり、おしゃれへのこだわりが強かった。すでに何がかっこいいかという考えを持っていたのは、同年代の他の子とは全く違う点でした。
当時は兄や家族の影響が強かったと思いますが、出会った当時から今も、クールな性格はずっと変わりません。
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