堀米雄斗、待ちに待ったアメリカ移住 絶対王者のアドバイスでSLSアジア人初V
思っていたよりも孤独な新生活
場所は、憧れのプロスケーターが多く住んでいる街、ロサンゼルス。アメリカへ向かう出発の日は、行き慣れていたこともあって全然緊張はせず、とにかくワクワクしていた。
最初はロサンゼルス市北部の街、バンナイズにあるミッキー・パパの家へ居候することに。
リビングの端っこの3畳くらいに、マットレスを置いただけのスペースを間借りしてそこで生活をすることになった。まず大変だったのは食事。ご飯をどこで食べればいいのかわからず、毎食困った。
少しして近所に〈デルタコ〉というファストフード店を見つけ、毎週火曜日は“タコチューズデー”で安くなるので、お金を節約するためによく通った。車もないので自分一人じゃ動けず、ミッキーがパークへ行くときについていき、一緒に滑っていた。
最初はパークでスケーターに話しかけられても英語が話せず、もともと人見知りということもあって、家でもパークでも結構孤独な時間が多くて辛かった。
でもそのうちとりあえず自分の名前を言って、何を話されても「OK」って答えていたら、「あいつ何もわからないのに、とりあえず“OK”って言うぞ」ってみんなにウケるようになった。
それからは少しずつ友達もできるようになったし、孤独を感じてもスケボーができることが楽しかったので、日本に帰りたいと思うことはなかった。
さらにアメリカのセクションやレールはサイズが大きく、パークの作りも日本とは違うので、アメリカサイズに慣れてくると新しいトリックを作ることができ、技のクオリティが高くなってきた。実はこの頃に覚えて、まだ出していないトリックもいくつかある。
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憧れのストリートリーグ
そんな憧れのSLS出場のチャンスが、移住後に思ったよりも早く訪れた。それはアメリカに移住してから初めて出たコンテスト、ブラジルのリオデジャネイロで4月に開かれた「Oi STU OPEN 2017」で優勝した後のできごとだった。
ここで優勝したことで、SLSの創設者で元プロスケーター、TVの司会者としても有名な俳優のロブ・ディアデックの目に留まった。
「この日本人、SLSに出したらおもしろいんじゃないか」と、ロブ・ディアデックが推してくれたことでSLSに招待され、5月下旬にスペイン・バルセロナで行われた「SLS プロオープン」に出場できることになった。
戦ったのはSLSで20回以上優勝経験がある絶対王者のナイジャや、憧れのシェーン・オニール(※アメリカ在住、オーストラリア出身のトッププロスケーター。チームライダーとして堀米が所属するデッキカンパニー〈APRIL SKATEBOARDS〉を立ち上げた人物)など数々のトッププロスケーター。ここで初めてナイジャとシェーンと競い、結果は1位のナイジャ、2位のシェーンに続きまさかの3位! 3位を獲れたことで、6月のミュンヘンで行われた「SLSワールドツアー」にも出場できることになり、そこではナイジャには負けたものの、2位を獲ることができた。
しかしその後は予選落ちで、SLSリーグ戦での好成績を収めた上位8人が出場できる「SLS スーパークラウン」に出場することはできず、実力不足を実感。こうして2017年は満足する結果ではなかったけれど、移住してすぐに憧れのSLSに出場して結果を残せて、夢のような年になった。
SLSはいままでの大会とはまったく違う緊張感があって、滑る前と技を決めた後の大歓声はどの大会よりも大きく、あのときの空気感は本当に忘れられない。
そして2018年からは、もっと夢のようなできごとが続くことになる。
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