連載:プロ野球「2022年、期待の外国人選手」

パ・リーグ新外国人「期待度ランキング」1位はMLB本塁打王並みのパワーの持ち主

宇根夏樹

7位:ガント(日本ハム/投手)

カーディナルスとツインズでプレーした昨季は、39登板のうち21試合で先発。5勝11敗、防御率は4.09だった 【Photo by Adam Glanzman/Getty Images】

 昨年はセントルイス・カーディナルスの開幕ローテーションに入り、最初の10登板で防御率1.60を記録したが、その後は崩れてブルペンに回され、夏に移籍したミネソタ・ツインズでも復調とはいかなかった。

 91〜92マイル(約146.4〜148.0キロ)のシンカーでゴロを打たせ、スッと沈むバルカンチェンジで空振りを奪う。タイプとしては、グラウンドボーラーだ。球種は多く、カッター、4シーム、カーブ、スライダーも用いる。制球はあまり良くなく、走者を背負うことが少なくない。自滅せず、コンスタントに5〜6イニングを投げれば、及第点ではないだろうか。

6位:アルカンタラ(日本ハム/内野手)

 遊撃とセンターを含む、内外野を守る。基本的には中距離打者だが、サンフランシスコ・ジャイアンツの3Aでプレーした昨年は、71試合で17本のホームランを打った。また、打者として成熟したのか、20代前半のようなフリースウィンガーではなくなっている。走ることもでき、マイナーではシーズン20盗塁以上が6度。昨年は2盗塁ながら、スピードが落ちたわけでなく、5本の三塁打を記録している。

 スイッチヒッターという点も含め、さまざまな起用ができそうだ。選手時代の新庄剛志監督のように、成績以上のインパクトを残す可能性もある。

5位:オグレディ(西武/外野手)

 昨年まで西武にいたスパンジェンバーグもそうだったが、まずまずのパワーとスピードを兼ね備える。2019年はシンシナティ・レッズの3Aで28本塁打と20盗塁、昨年はサンディエゴ・パドレスの3Aで出場74試合ながら15本塁打と10盗塁を記録した。打率と出塁率も悪くなく、両年とも.280&.360前後だった。

 左打者ながら、左投手を苦にしていない。守備は外野3ポジションと一塁。スパンジェンバーグが1年目に記録した、15本塁打と12盗塁はクリアできるはず。アベレージを多少犠牲にすれば、本塁打はプラスアルファもあり得る。

4位:ビドル(オリックス/投手)

38歳となったクローザーの平野を含め、オリックスのブルペンは不確定要素が多い。同じ救援左腕では成長株の富山などがいるが、チャンスは十分あるはずだ 【写真は共同】

 メジャー1年目の2018年は、60登板の63.2イニングで防御率3.11の好成績ながら、その後は故障もあって低迷していた。2年ぶりにアトランタ・ブレーブスへ戻った昨年も、メジャーでは結果を残せず。だが、5月半ばに3Aへ降格後は、32登板で33.2イニングを投げ、防御率2.67を記録した。

 スリークォーターの角度から、スピンの効いた4シームに、カーブとスライダーを投げる。多くのゴロを打たせ、奪三振も少なくはない。ただし、与四球も割と多め。すべりにくい日本の使用球が制球の改善につながるかもしれず、そうなれば勝利の方程式の一員になれそうだ。

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著者プロフィール

1968年生まれ、三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長で、現在はフリーランスのライター。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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