連載:プロ野球「2022年、期待の外国人選手」

セ・リーグ新外国人「期待度ランキング」 1位は5ツールを備えた巨漢の外野手

宇根夏樹

3位:アンドリース(巨人/投手)

メジャー7年間でシーズンの防御率が4点を切ったことはないが、昨季はレッドソックスから夏場に移籍したマリナーズで、8試合の登板ながら防御率2.45を記録した 【Getty Images】

 メインの3球種は、平均92マイル(約148.0キロ)の4シームに、チェンジアップとカーブ。そこに、2020年からはスライダーを捨て、カッターと2シームを織り交ぜている。17年までの登板は、主に先発だった。本人の希望もそう。球種を増やしたのも、先発再転向のためだ。結局はリリーフのままながら、当時はロサンゼルス・エンジェルスで先発5番手の座を掴もうとしていた。

 基本的には、打たせて仕留める。制球は良く、うまくいけば大崩れしない先発投手になれる。ロングリリーフもでき、昨年はメジャーの34登板中13登板が2イニング以上。3イニングも3度あった。

2位:ケラー(阪神/投手)

 奪三振が多く、昨年はメジャーの33.1イニングで36三振、3Aの18.1イニングで31三振を奪った。それぞれの奪三振率は9.72と15.22だ。95マイル(約152.9キロ)前後の4シームと縦に落ちるカーブを組み合わせる。曲がり方は異なるが、2019年に阪神で好投したピアース・ジョンソン(現サンディエゴ・パドレス)と同じ2球種だ。

 MLBが導入しているデータ解析システムの「スタットキャスト」によると、昨年のカーブの空振り率は34.7パーセント。わずかにジョンソンを上回った。メジャーでは与四球率5.94ながら、3Aでは1.47。ジョンソンとチームメイトになるロベルト・スアレスの後任として、クローザーを務める力はありそうだ。

1位:ポランコ(巨人/外野手)

196センチ・108キロの巨漢ながら、パワーだけでなくスピードもある。近年、巨人の来日1年目の野手は成績が芳しくないが、その傾向を覆せるか 【Getty Images】

 身体能力が高く、5ツールを備える。2010年代半ばには、ピッツバーグ・パイレーツの中心選手になると目されていた。15年に27盗塁とライトで13補殺を記録し、16年と18年は20本塁打以上。8月下旬に解雇された昨年は11本塁打ながら、14盗塁を決めて失敗は1度だけだった。9月以降はトロント・ブルージェイズの3Aで24試合に出場し、打率.374と9本塁打。短期間とはいえ、格の違いを見せた。

 年齢は30歳。衰えの心配は不要だ。左投手は得意ではないが、レフトかライトに固定されれば(マイナーでも外野以外を守ったことはない)、25本前後の本塁打は打つのではないだろうか。

(企画構成:YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1968年生まれ、三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長で、現在はフリーランスのライター。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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