連載:プロ野球「2022年、期待の外国人選手」

セ・リーグ新外国人「期待度ランキング」 1位は5ツールを備えた巨漢の外野手

宇根夏樹

7位:シューメーカー(巨人/投手)

メジャーではキャリアを通じてほぼ先発登板。14年には16勝4敗、防御率3.04の好成績で、ア・リーグの新人王投票ではヤンキース田中将大の5位を上回る2位に 【写真は共同】

 スプリッターを多投し、その割合はスライダー、4シーム、2シームを上回る。近年は減少傾向ながら、ナックルカーブも投げる。速球2種の球速は92マイル(約148.0キロ)前後。三振を奪うよりも、打たせる投球が持ち味だ。ここ数年はゴロ率が上がっているが、一方で被本塁打率も上昇しているのは気がかり。

 年齢は35歳。故障も少なくない。ただ、実績はあり、2014〜16年はロサンゼルス・エンジェルスで3年続けて20試合以上に先発し、14年はリリーフを含めた136.0イニングで防御率3.04を記録した。健康を維持できれば、それを再現してもおかしくない。

6位:アンダーソン(広島/投手)

 92〜93マイル(約148.0〜149.6キロ)がボリュームゾーンの4シームに、スライダー、カーブ、チェンジアップの変化球3種をバランス良くミックスする。際立った長所はない一方で、これといった短所も見当たらない。

 昨年はテキサス・レンジャーズの3Aで主に先発として登板し、70.2イニングで奪三振率10.95と防御率3.06を記録した。これらの数値はそれぞれ、3Aウエストで70イニング以上の25人中2位と1位に位置し、ブレイクの前兆という可能性もある。来日するメジャーリーガーのなかでは若く、開幕直前に28歳の誕生日を迎える。

5位:クリスキー(DeNA/投手)

DeNAのクローザー候補にも挙がるリリーフのスペシャリスト。三振が取れる反面、与四球が多く、制球難をどれだけ改善できるかが成否のカギか 【Getty Images】

 最速98マイル(約157.7キロ)に達する4シームと平均85マイル(約136.8キロ)のスプリッターが、投球の95パーセント前後を占める。残りの約5パーセントはスライダーだ。

 マイナーでは通算134.2イニングで奪三振率11.90と防御率2.34。ただ、メジャーではまったくと言っていいほど結果を残せず、昨年7月には史上最多タイの1イニング4暴投(&サヨナラ犠飛)を記録した。この試合を含め、昨年はメジャーの11.1イニングと3Aの29.1イニングで計10暴投。クローザーとセットアッパーを比べると、走者なしの場面で登板することが多いクローザーのほうが適任のような気がする。

4位:スアレス(ヤクルト/投手)

 スライダーを決め球とする左腕で、4シームと2シームの速球2種に、チェンジアップとカーブも交える。チェンジアップは、基本的に右打者に対して用いる。

 サンフランシスコ・ジャイアンツから韓国のLGツインズへ移った昨年は、主に先発として115.1イニングを投げ、100イニング以上の33人中1位の防御率2.18と3位の奪三振率9.83を記録した。しかも、本塁打は4本しか打たれておらず、被本塁打率0.31も100イニング以上のベストだった。ローテーション入りは完全に確定しているわけではないが、本塁打が出やすい神宮球場をホームとするので、この点は心強い。

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著者プロフィール

1968年生まれ、三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長で、現在はフリーランスのライター。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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