連載:2022年プロ野球・新人王は誰だ!?

セ・リーグ ルーキー即戦力度ランキング 1位にドラフト5位の本格派右腕

西尾典文

社会人での4年間でスケールアップを遂げ、広島から5位指名を受けた松本竜也。1年目からセットアッパー候補として期待がかかる即戦力だ 【西尾典文】

 アマチュア球界では名の知れた逸材でも、プロの世界で1年目から結果を残すのは簡単ではない。それでもルーキーの当たり年だった昨年に続いて、今年もフレッシュなタレントが旋風を巻き起こす可能性は十分にあるだろう。ここでは「即戦力度」という物差しで、今年プロ入りしたルーキーを、アマ球界に精通する西尾典文氏にキャンプの出来も考慮しつつランク付けをしてもらった。やはり大学生と社会人が中心となったが、まずはセ・リーグの「即戦力度ランキング」トップ10を見ていこう。
 昨年はルーキーの活躍が目立ったプロ野球界だが、中野拓夢(阪神/ドラフト6位)を筆頭に、元山飛優(ヤクルト/ドラフト4位)、若林楽人(西武/ドラフト4位)、河村説人(ロッテ/ドラフト4位)、水上由伸(西武/育成ドラフト5位)など、ドラフト下位指名でも貴重な戦力となった選手は少なくない。

 ドラフトでは将来性やスケールを重視するケースも多く、実力者が意外に低い順位で指名されるというのはよくあること。そこで今回は、ドラフトの順位に関係なく、今年のルーキーで即戦力として期待できる選手をランキング形式で紹介したいと思う。第1回目はセ・リーグ編だ。

10位:鵜飼航丞(駒澤大→中日2位/外野手)

パワーが身上のスラッガーで、その長打力には目を見張るものがある。オープン戦では連続安打を記録すなど好調を維持。いきなり中軸を任される可能性も 【写真は共同】

 日本人離れしたパワーを誇る巨漢スラッガー。東都大学リーグ通算打率.220と確実性には欠けるが、4年秋には4試合連続ホームランを放つなど、とにかく遠くへ飛ばす力は抜きん出たものがある。上半身だけでなく下半身の強さもあり、体勢を崩されても長打にできるのは大きな魅力だ。

 また体重100キロながら脚力も備えており、外野も無難に守れる。1年目から打率を残すのは難しそうだが、昨シーズンは歴史的な貧打に苦しんだ中日のチーム事情もあり、ある程度は我慢して起用してもらえる可能性が高い。

9位:森翔平(三菱重工West→広島2位/投手)

3月8日の阪神戦でも0回1/3を7失点でKOと、オープン戦では結果が出ていない広島の森翔平だが、素材は申し分ない。ここから巻き返せるか 【写真は共同】

 先発候補の一角として期待される社会人ナンバー1サウスポーだ。関西大で主戦となったのは4年からと遅咲きだが、2019年秋の明治神宮大会では最速149キロをマークして注目を集めた。

 社会人でも1年目から先発として活躍。2年目の昨年はシーズンを通して安定した投球を見せ、12月の都市対抗でも結果を残した。バランスの良いフォームで、本格派左腕ながらコントロールも安定している。緩急の使い方も上手く、試合を作る能力は高い。オープン戦最初の登板は不本意な投球に終わったが、ここから首脳陣の信頼を勝ち取りたい。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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