エースだけでメダルは取れぬジャンプ団体 「陵侑にこれ以上飛べは無茶」選手層強化を

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「継続」ではいけない世界

個人では十二分な活躍を見せたといえる小林陵侑だったが…… 【写真は共同】

 エースとして個人では十二分な活躍を見せたといえる陵侑は、「また五輪に戻ってきたときにビッグパフォーマンスができるようにトップレベルでいたい」と4年後を見据えつつ、チーム力の課題について言及した。

「それぞれどう思うかわからないが、自分がどうしていくかだと思う。この悔しさを共有してレベルアップできればいい。トップレベルでパフォーマンスができていて、難しいですが『継続』という言葉を使ったら置いていかれる世界なので、ちょっとずつレベルアップを(していきたい)」

 2種目でメダル獲得、現在ワールドカップ総合優勝を狙うエースの言葉は重い。だが4年後の団体メダル獲得ヘ向けて光明もある。ソチ五輪では41歳の葛西がエースを張っている状態で、その4年後の平昌では、45歳の葛西、30代の伊東、竹内に加え陵侑が出場し6位だった。今回は大幅に世代交代が行われた。

 原田総監督も「陵侑を中心に(佐藤)幸椰、中村、(24歳の)佐藤慧一といったところがまたどんどん力をつけて、4年後に彼らが成長をして、メダルに届くようなチームになってほしい」とコメント。課題の選手層についても「大丈夫です。たくさんの若いジャンパーがこの先(に向けて)育ってきています」と今後に期待を寄せる。

 4年後の五輪を陵侑はアスリートとして全盛期の29歳で迎える。彼を中心にジャンプ陣の選手層が厚くなれば、12年ぶりの団体表彰台、あるいは1998年長野五輪以来、28年ぶりの頂点が見えてくるかもしれない。

(取材・文:石橋達之/スポーツナビ)

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