ショートトラック男子日本勢は決勝に届かず リレーではメダルなるか、個人戦の雪辱誓う

沢田聡子

ショートトラック男子1500メートルで準決勝に進出した吉永一貴 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 ショートトラック男子1500mには、菊池耕太(恵仁会)、宮田将吾(阪南大)、吉永一貴(トヨタ・中京大)の3名が出場した。予選では第3組で菊池、第5組で宮田と吉永が滑走。

 第3組に出場した菊池は4位で、3位まで進出できる準決勝に進めなかった。描いていたプランと実際のレース運びについて問われた菊池は「元々のプラン通りだったと思いますけど、最後の5周・4周あたりから少し体力不足というというか、力の差を感じました」と振り返った。

「1500mはあまり得意としていない中で、最後はあの展開になるだろうなとは思っていました。予想通りといえば予想通りかもしれないのですが、精一杯やったと思います」

 11日には個人戦の500m、団体戦では5000mリレーに出場する。リレーを含めてまだレースがある中で、リンクや空気感など次に繋(つな)がるところはあったか、という質問に菊池は「今日個人戦を経験したことによって、会場の雰囲気は慣れてきたと思います」と答えた。悔しい敗退を、次に生かしたいところだ。

宮田「一貴さんと二人で勝ち上がりたかった」

宮田(写真右)は攻めるレースを展開したものの、徐々に順位を落として5位に終わり、準決勝進出を逃した 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 宮田と吉永は、ともに第5組に出場した。宮田は1500mを得意にしており、一時は先頭に立つなど攻めるレースを展開したものの、徐々に順位を落として5位に終わり、準決勝進出を逃した。

「序盤は強気に行くプラン」を考えていたという宮田は、レース中盤の準決勝進出がかかる2番手・3番手の競り合いについては「守り切ることが大事」と考えていたという。

「(レース中盤は)守り切って、次のラウンドに上がろうと思っていました。前、前(という気持ち)でいたけれど、最後まで体力がありませんでした」

 同じ第5組で滑走した吉永は2位となり、準決勝に進出した。

「(吉永)一貴さんと二人で勝ち上がりたかったです。お互い上がれればいいなと思っていました」

 コンディションは良かった。「出し切ってあの結果ですし、得意の1500mで準々決勝敗退というのは、結構悔しいですね」とレース後は無念さをにじませた。世界との差をどんなところに感じたかと問われると、次のように答えた。

「ハイペースでも最後までくらいついていって、さらにもうワンテンポ上げればいいなとは思いました。そこが差だと思います」

 五輪とワールドカップとの違いは「特に感じていない」とし、「ワールドカップでメダルが取れれば、五輪でもとれると思います」と語った。11日には、4人で臨む5000mリレーがある。

「できれば個人戦でいい結果出して勢いに乗りたかったですが、別に悪い雰囲気ではありません。ワールドカップでは思い切りやれない部分がありましたが、五輪は失うものがないので負けるのを恐れずに、全員で思い切り滑れたらいいなと思います」

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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