ショートトラック男子日本勢は決勝に届かず リレーではメダルなるか、個人戦の雪辱誓う

沢田聡子

日本勢で唯一準決勝に進出した吉永は16位

日本勢で唯一準決勝に進出した吉永だが、準決勝2組で3位に終わり決勝進出を逃す結果に終わった 【写真:ロイター/アフロ】

 日本勢で唯一準決勝に進出した吉永だが、準決勝2組で3位となり決勝進出を逃す。順位決定戦では6人中6着に沈み、最終的に16位という結果に終わった。

「先に滑った二種目ですごく悔しい結果となってしまった。1500mは自分らしく、自分の持てる力を出し切れるようにと意識してレースしたので、結構攻めました」

 レース展開については「少し挟まれたというか、かわしながら外に進めなかった。想定よりも後に来るのが早かったので、上手く合わせられなかったのかなと思います」と振り返る。

 吉永はワールドカップと比較して、海外勢の戦い方に違いを感じていた。

「五輪はどの選手も目標としているので、全体的に1レースのタイムもすごく速くて、普段のワールドカップよりもやはり少し違うのかなという印象はあります」

 吉永はカナダの選手と若干接触しており、そのため減速してしまった。結果的にはそこが勝負の分かれ目となった。

「後ろから来たロシアの選手をマークして、プレッシャーをかけつつ前に上がりたかったのですが、かなり速いスピードできていたのと、あとは自分の加速が少し足りなかったこともあって、カナダの選手に近づきすぎたのかなと」

吉永は最後の種目、5000mリレーにかける

吉永は中1日で迎える5000mリレーに、日本のエースとして臨む 【写真:ロイター/アフロ】

 中1日で迎える5000mリレーに、日本のエースとして臨む。

「五輪は4年に一度の大会なので、どの選手もやはり前のめりなレースになる。それで結果的に速いタイムになるのですが、その分最後の最後で(ペースが)落ちる可能性もあります。五輪だからこそ起こりうるレースの傾向というのもあるので、そこはリレーにも共通するのではないかなと思っています」

 日本が五輪のショートトラックで初めて獲得したメダルは、正式種目となった1992年アルベールビル大会の男子5000mリレーで獲得した銅メダルだ。日本はこの北京五輪に、リレー種目のメンバー構成を重視して代表を選考し臨んでいる。この1500mで味わった悔しさを原動力に、代表4人の力を結集して表彰台を目指す。吉永も5000mリレーにかける思いは強い。

「自分は、最後5000mリレーしか残っていないので。ショートトラックを応援してくれる人たちのためにも、最後は自分らしく全力でいい結果を残せるように、しっかりと頑張りたいなと思います」

 98年長野五輪以降遠ざかっているショートトラックでのメダルを、11日から始まる男子5000mリレーで獲得できるか。1500mの悔しさを、喜びに変えたい。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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