ウインターカップ20回優勝を誇る能代工業 今も語り継がれる田臥勇太時代の9冠の栄光

小永吉陽子
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「能代工業」から「能代科学技術」としてスタートの大会

1998年には田臥(一番右)擁する能代工業が3年連続3冠を達成した 【写真:山田真市/アフロ】

 今年もバスケットボール界の冬の風物詩「ウインターカップ」(全国高等学校バスケットボール選手権大会)の季節がやってきた。12月23日より29日まで、高校日本一を目指して全国120校(男女各60校)の精鋭たちが東京体育館に集結する(一部、駒沢体育館で開催)。去年と今年は新型コロナウイルスの影響で観客数に制限がある中での開催となるが、選手たちの熱い気持ちは変わらず、熱戦が繰り広げられることだろう。

 ウインターカップは毎年のように伝説が生まれる大会だ。「全国高等学校選抜優勝大会」から2017年に大会名称が変わり「全国高等学校選手権大会」となった現在まで74回を数えるが、その歴史の中で真っ先に名前が挙がるのが、大会最多となる20回の優勝を誇る能代工業(秋田)だ。バスケットボールに詳しくない人でも「能代工業」と「田臥勇太」(現・宇都宮ブレックス)の名前は聞いたことがあるだろう。

 その能代工業は今年(2021年)の4月から、能代西との統合により「能代科学技術」として新たなスタートを切っている。校名変更ではなく、統合による新たな開校のため、出場回数は引き継がず、初出場としてカウントされる。だが、ユニフォームの名前は変わっても受け継ぐ魂は不変である。能代工業はどれほどまでに高校バスケ界で金字塔を打ち立て、ウインターカップで伝説を作ってきたのか。能代科学技術としての新しいスタートを機にひもといてみたい。
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著者プロフィール

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者となる。日本代表・トップリーグ・高校生・中学生などオールジャンルにわたってバスケットボールの現場を駆け回り、取材、執筆、本作りまでを手掛ける。

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