なぜ直木賞作家はステイゴールドの虜に? 馳星周氏が語る馬産地、人馬への思い
直木賞作家・馳星周さんにステイゴールドへの愛、小説『黄金旅程』に込められた思いについて聞いた 【撮影:露木聡子】
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なぜステイゴールドはファンに愛されたのか
1999年の天皇賞・秋でスペシャルウィーク(9番)に敗れ、2着に終わったステイゴールド(6番)。このレースも本気で走っていなかったのかもしれない 【写真は共同】
そのお話を伺ったときは、正直、びっくりしました。普通に考えると、ディープインパクトかなと思いますよね。ただ、ステイゴールドは種牡馬としてもドリームジャーニーやオルフェーヴル、ゴールドシップという馬を出していますから、大種牡馬であることは間違いありません。「わかっている人がこんなにいるんだな」という印象ですね。
――ステイゴールドをモデルに小説を書こうと思われたのは、なぜなのでしょうか。
馬産地を舞台にした小説を書こうと思ったのが、一番最初にありました。競馬そのものではなく、馬産に携わる人やトレセンで馬に関わる人たちといった、馬が競馬に出走する前に関わっている人たちの物語ですね。その小説に、大好きなステイゴールドをモデルにした馬を登場させたいと思いました。
――ステイゴールドファンになられたきっかけは?
僕は、競馬歴は浅いんです。実際に競馬を見るようになってから、4、5年しか経っていません。僕は北海道の浦河という馬産地の出身なのですが、子どもの頃は「馬のいないところに住みたい」とずっと思っていました。大人になっても、競輪はよくやっていましたが(笑)、競馬にはまったく興味がありませんでした。
ところがあるとき、妻が「レイデオロが……」とか「日本ダービーが……」などと言い始めまして、日曜日の競馬中継を見るようになったんです。だいたいいつも夫婦一緒にいるので、妻がテレビで競馬を見ていると僕も一緒に見ることになるんです。見ているうちに、これはおもしろいなと思って、はまっていきました。
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