連載:ファンを魅了する“種牡馬”の世界

なぜ直木賞作家はステイゴールドの虜に? 馳星周氏が語る馬産地、人馬への思い

木村俊太
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直木賞作家・馳星周さんにステイゴールドへの愛、小説『黄金旅程』に込められた思いについて聞いた 【撮影:露木聡子】

 直木賞作家・馳星周さんのステイゴールドをモデルにした小説『黄金旅程』が12月3日に発売される。馳さんは馬産地北海道・浦河の出身ながら、つい数年前まで競馬にはまったく興味がなかったという。そんな馳さんがステイゴールドの虜になるのだが、そこにはいったい何があったのか。今、最も気になる種牡馬は? さらには『黄金旅程』執筆にまつわる秘話などについて語っていただいた。 

なぜステイゴールドはファンに愛されたのか

1999年の天皇賞・秋でスペシャルウィーク(9番)に敗れ、2着に終わったステイゴールド(6番)。このレースも本気で走っていなかったのかもしれない 【写真は共同】

――ステイゴールドをモデルにした小説『黄金旅程』(集英社刊)が12月3日に発売されますが、この連載の「ファンが選ぶ好きな種牡馬ランキング・OB編」では、ステイゴールドが1位になりました。

 そのお話を伺ったときは、正直、びっくりしました。普通に考えると、ディープインパクトかなと思いますよね。ただ、ステイゴールドは種牡馬としてもドリームジャーニーやオルフェーヴル、ゴールドシップという馬を出していますから、大種牡馬であることは間違いありません。「わかっている人がこんなにいるんだな」という印象ですね。

――ステイゴールドをモデルに小説を書こうと思われたのは、なぜなのでしょうか。

 馬産地を舞台にした小説を書こうと思ったのが、一番最初にありました。競馬そのものではなく、馬産に携わる人やトレセンで馬に関わる人たちといった、馬が競馬に出走する前に関わっている人たちの物語ですね。その小説に、大好きなステイゴールドをモデルにした馬を登場させたいと思いました。

――ステイゴールドファンになられたきっかけは?

 僕は、競馬歴は浅いんです。実際に競馬を見るようになってから、4、5年しか経っていません。僕は北海道の浦河という馬産地の出身なのですが、子どもの頃は「馬のいないところに住みたい」とずっと思っていました。大人になっても、競輪はよくやっていましたが(笑)、競馬にはまったく興味がありませんでした。

 ところがあるとき、妻が「レイデオロが……」とか「日本ダービーが……」などと言い始めまして、日曜日の競馬中継を見るようになったんです。だいたいいつも夫婦一緒にいるので、妻がテレビで競馬を見ていると僕も一緒に見ることになるんです。見ているうちに、これはおもしろいなと思って、はまっていきました。
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著者プロフィール

木村俊太

1966年生まれ。東京都出身。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライター・フリー編集者。スポーツ(競馬・ラグビーなど)取材を中心に活動中。競馬においては、馬券だけに留まらない競馬の魅力を広く伝えたいと願い、取材・執筆活動を行っている。著書に『ベガとアドマイヤベガ 奇跡の親仔物語』(イーハトーヴ刊)『スペシャルウィーク 最強馬の証明』(ザ・マサダ刊)『テイエムオペラオー 孤高の王者』(廣済堂刊)『観戦初心者のための ラグビー 25のルールと見方』(Kindle版)などがある。

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