薄氷の勝利だった高梨沙羅の全日本5連覇 後輩らの成長で五輪シーズンが楽しみに
厳しい条件を言い訳にしない、高梨の強さ
大会5連覇を果たした高梨。1本目は向かい風、2本目は追い風という異なる条件にも対処し、逆転を果たした 【写真は共同】
迎えた2本目は1本目とは打って変わり、飛距離が出にくい追い風の状況に。それでも「この期間は(シーズン本格化前)最後のベースづくり。自分のやりたいことに集中していた。逆転したい、風がどうだというのはあまり考えられなかった」と自分のジャンプをすることだけに意識を集中させ、2本目では全選手の中で最長となる飛距離90.5メートルを記録。高梨の後に飛んだ丸山、伊藤がそれぞれ、80メートル台に終わったことで、前人未到の5連覇を達成した。
25歳となった第一人者は、後輩たちの成長にも意欲
2014年ソチ大会に17歳で五輪初出場を果たした高梨も、今月8日で25歳になる。
「年々、女子も男子も(ゲート位置が)落ちている感じはします。初めての国際大会では、たしか30番ゲート(からの滑走)で、(滑走距離が)半分以下になったんだなと自分の成長、女子ジャンプ界の成長がすごく見えている感じがします」と振り返ると、ユーモアを交えつつ次のように語った。
「四捨五入したらアラサー。女子ジャンプ界の中では(自分は)若手ではない。後輩もたくさん出てきて、知らない子、若い子も出てきているので(彼女たちに)影響を与えて、いろいろなことを教えられるようにしていきたいと思います」。3度目の大舞台を目指していく先に、後輩たちの成長にも意欲を見せた。