ラグビー日本代表、再始動の欧州遠征 SH齋藤、FLリーチらの評価は?

構成:スポーツナビ

リーチ主将は「必要不可欠な選手」

ボールを持って突進するタタフを後ろからフォローするリーチ主将 【写真:代表撮影/ロイター/アフロ】

――試合前にNo.8姫野和樹選手が負傷してメンバー交代というアクシデントもありました。

 姫野選手もスーパーラグビーの戦いを経て選手としてのステージが変わったので、FWの中心としてアイルランドと戦う姿を見たかったです。

 代わりに先発したテビタ・タタフ選手は今日も強さを発揮しましたが、後半に切り札として出てきた方が効果的だと思います。FWの選手では基本的にLOは2人のうちの1人、第3列では3人のうちの1人しか交代できません。フル出場するFWは試合終盤は精神的にも体力的にも厳しくなるので、その状態でフレッシュなタタフ選手を出す……というのは強烈な武器になると思います。「試合を決める選手」になり得る存在です。

――藤井さんと東芝でともに戦ったリーチ マイケル選手にとってはライバルが増えていますが、23年ワールドカップに向けてポジション争いは激しくなるでしょうか?

 ポジション争いのレベルが上がることを期待していますが、マイケルは23年ワールドカップに必要不可欠な選手だと考えています。彼はすでに世界トップ級のチームリーダーとなっていて、試合によって目立たないように感じるかもしれませんが、チームには必ず貢献しています。
 常に体を張って、細かいスキルもあり、自身のスタンダードを下げません。そして、多くを経験して人間的な厚みも増しました。

 もちろん彼に続くリーダーは育てなくてはいけませんが、マイケルは唯一無二の選手なので、23年大会でも大きな存在になると思います。

――今後の日本代表について期待することは?

 コロナ禍で国際試合の予定は大きく変わりましたが、久しぶりの試合でも日本が世界トップと戦えることを証明したと思います。新たな選手を起用しながら、この欧州遠征を戦えたのは大きなプラスです。
 19年ワールドカップの南アフリカ戦ではスクラムなどのセットプレーで重圧を受け、激しく前に出てくるディフェンスにも苦戦しました。23年に向けて世界のさまざまな国と対戦して、経験値を増やしてもらいたいです。
 また、今回の遠征で出場のなかった選手や、トップリーグにも楽しみな選手もいるので、新たな選手の台頭にも期待しています。

藤井淳/JunFujii

【写真:アフロスポーツ】

 1982年8月10日生まれ。身長170センチ、体重77キロ。愛知県出身。西陵商高‐明治大‐東芝ブレイブルーパス。

 西陵商高時代に全国大会に出場、明治大では抜群のスピードを生かして活躍した。東芝ブレイブルーパスでは強気のリードでFWをまとめ、ディフェンス面も向上。2012年にはエディー・ジョーンズHCにより日本代表に選ばれ、6キャップを獲得した。2019年に現役引退。

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