Bリーグ制覇にまい進する富樫勇樹 「CSを前にわくわくが止まりません」

初のタイトル奪取に向け、富樫勇樹はチャンピオンシップに臨む 【(C)B.LEAGUE】

 日本人プレーヤー初の1億円選手、千葉ジェッツの富樫勇樹にとって、残された名誉はBリーグのタイトルのみと言えるかもしれない。アメリカ、ヨーロッパへのチャレンジ、日本代表での活躍など、その実績は枚挙にいとまがないが、過去2回、アルバルク東京にファイナルで敗れたこと、特に前回ではあと一歩のところまで追い込んだのは記憶に新しい。コロナ禍の中で行われた今シーズン、タイトル奪取へ突き進む富樫を追っていく。

チームナンバー1のポジティブ男

ハードスケジュールとなったシーズン終盤を富樫のリードでチームは9連勝を果たした 【(C)B.LEAGUE】

 5月10日、サンロッカーズ渋谷を104-83で破った千葉ジェッツはこの勝利を最後に2020-21のレギュラーシーズン全日程を終えた。予定されていた60試合中3試合がコロナの影響で中止となったため最終結果は43勝14敗で東地区2位をマーク。

 いや、終盤の状況を振り返れば『2位をマーク』というより『2位を死守』と書く方が正しいかもしれない。コロナ禍で3月末から約3週間試合ができなくなった千葉は自粛明けの渋谷戦(4月14日)に敗れると、続く川崎ブレイブサンダース戦も2連敗。この時点で2位につける川崎の調子が上がってきたこともあり2位のキープに黄信号が灯った。さらに延期されていた試合が組み込まれた残り1カ月は週3試合の過密スケジュール。選手たちがゆっくり休める時間はほぼないと言っていい状況だった。

 しかし、キャプテンを務める富樫勇樹は「コロナについてはシーズン開幕当初から心配されていたことなので、まあこういう状況もあり得るかなと考えていました。ので、特に戸惑ったり、焦ったりすることはなかったですね」と事もなげに言う。それでも琉球ゴールデンキングス(5月5日)、秋田ノーザンハピネッツ(5月8日)、そして10日の渋谷と移動距離も長かった最後の3試合はさすがに疲れたのではないか。が、ここでも富樫は「いや、僕はこれぐらいの日程が1番好きなんですよ」と予想外の発言。

 聞けば「試合後は休みになるし、次の試合がすぐやってくることで練習日が減り、前日練習も軽いものになるので僕はその方がうれしい」ということらしい。もっともこれはあくまで富樫個人の感想で、チームメートの原修太は「やっぱりこの1カ月はかなりきつかったですよ。それを好きと言えるのは富樫ぐらい。あいつしかいません」と笑った。「富樫はめちゃくちゃポジティブですからね。みんなが疲れているときも1人だけ元気(笑)。でも、“変わらない富樫”に助けられたことは多かったし、そういう意味では背中で引っ張るキャプテンだと思っています」
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